ちくま新書

日本経済の死角
─収奪的システムを解き明かす
河野龍太郎
著
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二〇世紀前半にかけて、世界中で建設された集合住宅は、庶民にも快適な生活を行きわたらせようという強い信念に支えられていた。加速する工業化と並行する形で、資本家・政治家・建築家の知恵を結集し、大規模かつ精力的に展開された集合住宅の建設計画。そのいわば「夢の跡」は、ウィーンにパリにフランクフルトに、そして日本にも見ることができる。貧富の格差拡大の警鐘が鳴らされる今日、公共住宅復権の可能性を睨みつつ、ユートピア建設の軌跡を追う。
第1章 軍艦島―ユートピア/ディストピア
第2章 ノイエ・フランクフルト―銀行都市のもうひとつの顔
第3章 赤いウィーン―政治とユートピア
第4章 アムステルダム―表現至上の建築家たちの思い
第5章 「お値打ち住宅協会」のパリ
第6章 東京―帝都復興、ユートピアとスラム・クリアランス
エピローグ 語り継がれる集合住宅
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