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ちくま新書

江戸の刑事司法

——「御仕置例類集」を読みとく

ヴァーチャル御白洲ここに開廷!

物怪憑きに責任能力はあるのか? 放火と失火では、どれくらい罪の重さが違う? 江戸時代の法的思考を解き明かす、ヴァーチャル御白洲ここに開廷!

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07718-9

Cコード

0221

整理番号

1885

2025/11/06

判型

新書判

ページ数

192

解説

内容紹介

江戸時代の法的思考を解き明かす、ヴァーチャル御白洲ここに開廷!

奉公先の主人の妻「かめ」から恋文を渡された下男の新助、困惑して返したら、「かめ」は傷心の余り自害してしまった……。このとき、新助の罪は?
物の怪に取り憑かれた様子の伝七は、ある日怪しげなことを口走った挙句、兄の定吉に指図して母を殺させてしまう……。彼らに責任能力はあるといえるのか?

「野蛮で乱暴な江戸の御裁き」というイメージの一方で、江戸幕府の役人たちは、法に照らし、先例を検討し、あれこれ悩んで科すべき刑罰を決定していた。この際の議論を記録した「御仕置例類集」から五つの事件を題材に、江戸時代の法的思考を解き明かす。

目次

第一章 盗みと火附――甚吉一件
 コラム 江戸幕府の裁判――主な担当役所と手続
第二章 叶わぬ恋と艶書の果てに――新助と「かめ」一件
 コラム 江戸幕府の成文法典――公事方御定書
第三章 処罰か福祉か――寄場人足・安五郎一件
 コラム 江戸幕府の刑罰体系
第四章 「物の怪」と責任能力――定吉・伝七兄弟一件
 コラム 御仕置例類集―江戸幕府の裁判記録
第五章 女による犯罪――「いよ」一件
 コラム 法制度に見る江戸時代の女性

あとがき――「ヴァーチャル御白州」顛末とその後

著作者プロフィール

和仁かや

( わに・かや )

和仁 かや(わに・かや):早稲田大学法学学術院教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。神戸学院大学法学部、九州大学大学院法学研究院准教授などを経て2018年9月より現職。専門は近世日本法制史。著作に『岡松参太郎の遺緒』(成文堂/共編)、『幕藩制国家の政治構造』(吉川弘文館/分担執筆)、『近世法の再検討』(山川出版社/分担執筆)などがある。

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