自然の権利 ─環境倫理の文明史

ロデリック・F・ナッシュ 著 , 松野 弘 翻訳

文明は自然破壊の上に立脚していた。自然と人間の新たな関係づくりのために、自然思想と保護運動を軸に、環境倫理学の歴史をひもとく。

自然の権利 ─環境倫理の文明史
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,650円(税込)
  • Cコード:0110
  • 整理番号:ナ-6-1
  • 刊行日: 1999/02/10
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:544
  • ISBN:4-480-08466-5
  • JANコード:9784480084668
松野 弘
松野 弘

マツノ ヒロシ

1947年岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部社会学専攻卒業。日本大学文理学部教授を経て、現在、千葉大学大学院人文社会科学研究科教授。博士(人間科学、早稲田大学)。日本学術会議持任連携会員(環境学委員会)。「環境思想研究会」代表。専門分野は環境思想論/環境社会論、産業社会論/CSR論・「企業と社会」論、地域社会論/まちづくり論等、主要書訳書に『地域社会形成の思想と論理』『「企業の社会的責任論」の形成と展開』(編著)『現代地域問題の研究』(編著)『緑の政治思想』(A.ドプソン、いずれもミネルヴァ書房)、『自然の権利』(R・F・ナッシュ、ちくま学芸文庫)、『緑の国家論』(R・エッカースレイ、岩波書店、近刊)など多数。

この本の内容

人間の歴史は自然破壊の歴史でもあった。自然を征服することによって、われわれは文明を築いてきたのである。現在、環境破壊は全地球的となり、人間の文明自体を破壊するという逆説的な問題を提起するにいたった。このような状況下、著者ナッシュは、「自然には生存権があり、倫理的共同体に帰属できる。…倫理的な平等という概念を全体としての生態系へと拡大していく」という権利の拡大による、倫理の拡大の必要性を説く。本書は、「生態学思想」を基盤として、哲学・宗教・心理学などが環境倫理思想へと転換していく歴史的過程を冷徹に捉えた思想史的著作であり、自然を守り、未来を考えるための必読の書である。

この本の目次

プロローグ 倫理の拡大と急進的環境主義の展開
第1章 「自然権」から「自然の権利」へ
第2章 アメリカの環境主義とそのイデオロギー的起源
第3章 生態学が生物学的世界を拡大する
第4章 宗教の緑化
第5章 哲学の緑化
第6章 自然の解放
エピローグ 奴隷制度廃止論、環境主義、アメリカ自由主義の限界

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