ちくま学芸文庫
悪文の構造
─機能的な文章とは
千早耿一郎
著
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下巻幕開けは、翁頭蛇体をもって大弁才天のほの暗い頭上に蟠踞する宇賀神の秘密に肉薄する。口伝と儀軌の迷路からうかびあがる叡山潅頂の秘儀は白眉の一章。そして掉尾を飾る祭文世界。みさきたなびく牛頭天王と懼れられ、八万四千の使尊眷属を先触れに天竺より飛来し、龍宮を経て本朝をさすらいわたる流浪の行疫神の相貌。偽稗の古代に天照大神との競合に敗れ、中世を経て江戸の末まで闇に鎮送されながら生き延び、時を経て再びの出世をうかがう異神。宗教史・芸能史・民俗学の閾を自在に跳びわたりつつ、おびただしい文書の博捜と今日に生き残る祭神儀礼の闇から、中世の空間に響きわたった神々の哄笑を召還する渾身の力作。
第3章 宇賀神―異貌の弁才天女(『渓嵐拾葉集』と二種の弁才天
宇賀神経と荒神祭文
『弁才天修儀』の儀礼宇宙―行法と口伝をめぐって
弁才天潅頂―戒家相承の弁才天と如意宝珠をめぐって
「如意宝珠王」の彼方へ
戒家と大黒天―大黒天法と戒潅頂をめぐって)
第4章 行疫神・牛頭天王―祭文と送却儀礼をめぐって(「牛頭天王島渡り」祭文と祇園縁起
「牛頭天王島渡り」祭文の世界
津島の牛頭天王信仰と御葦流し
「みさきたなびく牛頭天王…」)
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