あいだ

木村 敏

自己と環境との出会いの原理である共通感覚「あいだ」。その構造をゲシュタルトクライス理論および西田哲学を参照しつつ論じる好著。
【解説: 谷徹 】

あいだ
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,045円(税込)
  • Cコード:0111
  • 整理番号:キ-14-1
  • 刊行日: 2005/09/07
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:224
  • ISBN:978-4-480-08934-2
  • JANコード:9784480089342
木村 敏
木村 敏

キムラ ビン

1931年、旧朝鮮生まれ。1955年、京都大学医学部卒業。現在、京都大学名誉教授、河合文化教育研究所所長・主任研究員。専攻、精神病理学。著書に『自覚の精神病理』(紀伊國屋書店)、『異常の構造』(講談社現代新書)、『時間と自己』(中公新書)、『木村敏著作集』全8巻(弘文堂)、『関係としての自己』(みすず書房)、『臨床哲学講義』(創元社)、『あいだ』『自己・あいだ・時間』『分裂病と他者』(ちくま学芸文庫)など。訳書多数。1981年にシーボルト賞、1985年にエグネール賞、2003年に和辻哲郎文化賞、2010年に『精神医学から臨床哲学へ』(ミネルヴァ書房)で毎日出版文化賞を受賞。

この本の内容

自己が生命の根拠に支えられて世界と出会う行為的原理である「あいだ」。その構造を、ゲシュタルトクライス理論に拠りつつ、ノエマ・ノエシスの円環的関係を西田哲学の「行為的直観」と関連づけて、多面的に解き明かす。自己が主体として生きるということは、生命一般の根拠の「おのずから」の動きにかかわると同時に、間主体的な世界を維持することではないか。ユクスキュル、ブーバー、レヴィナスらへの言及を通じて自他の関係を考察し、ダブル・バインド仮説の可能性を改めて問う。独自の学問的地平を切り拓いた著者の世界をわかりやすく示す。

この本の目次

生命の根拠への関わり
主体と転機
音楽のノエシス面とノエマ面
合奏の構造
間主体性とメタノエシス性
主体の二重性
共通感覚と構想力
「あいだ」の時間性:アレクシシミアと構想力
「あいだ」の生理学から対人関係論へ
我と汝の「あいだ」
もしもわたしがそこにいるならば
絶対的他者の未知性
こと・ことば・あいだ
「あいだ」の病理としての分裂病
ダブル・バインド再考
「みずから」と「おのずから」
結び

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