分裂病と他者

木村 敏

精神病理学と現象学を往還する
木村臨床哲学の到達点

分裂病者の「他者」問題を徹底して掘り下げた木村精神病理学の画期的論考。「あいだ=いま」を見つめ開かれる「臨床哲学」の地平。
【解説: 坂部恵 】

分裂病と他者
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,650円(税込)
  • Cコード:0110
  • 整理番号:キ-14-3
  • 刊行日: 2007/08/08
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:432
  • ISBN:978-4-480-09089-8
  • JANコード:9784480090898
木村 敏
木村 敏

キムラ ビン

1931年、旧朝鮮生まれ。1955年、京都大学医学部卒業。現在、京都大学名誉教授、河合文化教育研究所所長・主任研究員。専攻、精神病理学。著書に『自覚の精神病理』(紀伊國屋書店)、『異常の構造』(講談社現代新書)、『時間と自己』(中公新書)、『木村敏著作集』全8巻(弘文堂)、『関係としての自己』(みすず書房)、『臨床哲学講義』(創元社)、『あいだ』『自己・あいだ・時間』『分裂病と他者』(ちくま学芸文庫)など。訳書多数。1981年にシーボルト賞、1985年にエグネール賞、2003年に和辻哲郎文化賞、2010年に『精神医学から臨床哲学へ』(ミネルヴァ書房)で毎日出版文化賞を受賞。

この本の内容

精神病理から人間存在の本質にいたる思索をさらに深め、分裂病者にとっての「他者」の問題を徹底して掘り下げた木村精神病理学の画期をなす論考。ハイデッガー、西田幾多郎らに加え、デリダ、ラカン、レヴィナスなどの構造主義と正面からわたり合い、自己と他者との関係のありかたを「あいだ=いま」という本質的な項を媒介として見つめ直す。研ぎ澄まされた治療感覚をもって、患者の生き方を知覚し、治癒をめざして真摯な長い対話を重ねる著者の思策と営為。今、「臨床哲学」の地平が開かれる。

この本の目次

あいだと時間の病理としての分裂病
他者の主体性の問題
自己と他者
家族否認症候群
精神医学における現象学の意味
直観的現象学と差異の問題―現象学的精神医学の立場から
危機と主体
離人症における他者
内省と自己の病理
自己の病理と「絶対の他」
現象学的精神病理学と“主体の死”―内因の概念をめぐって
境界例における「直接性の病理」
離人症と行為的直観
分裂病の治療の関して

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