明治風物誌

柴田 宵曲

すぐそこの明治

人力車、煙管、居合抜、パノラマ。明治の事物習俗について、文学作品と作家のエピソードを織りこみつつ床しく綴った珠玉の随筆。
【解説: 加藤郁乎 】

明治風物誌
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,430円(税込)
  • Cコード:0195
  • 整理番号:シ-22-2
  • 刊行日: 2007/08/08
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:336
  • ISBN:978-4-480-09091-1
  • JANコード:9784480090911
柴田 宵曲
柴田 宵曲

シバタ ショウキョク

1897(明治30)年、東京市日本橋区の商家に生まれる。本名泰助。中学を中退後、上野図書館に通って独学で俳句、短歌、文章に精進。ホトトギス社に入社し編集に従事、寒川鼠骨に師事して『子規全集』編纂に尽力した。三田村鳶魚の著述にも協力。『蕉門の人々』『古句を観る』など、俳句に関する著作は高く評価された。晩年、書肆の求めに応じて『明治の話題』(ちくま学芸文庫)、『妖異博物館』正・続(ちくま文庫)などを著し、話題を呼んだ。1966(昭和41)年死去。『柴田宵曲文集』全8巻(小沢書店)がある。

この本の内容

西南戦争後の夜空に出現した西郷星、ペスト大流行と鼠供養の塚、團十郎人気と贋者たち、焼芋と明治文学、白秋「東京景物詩」にみる瓦斯燈の詩情、落書きのため借家を追われた青木繁、コックリさんと小波お伽噺。サーカス、野球、人力車、競馬、水族館、赤帽、バナナ、半熟玉子、軽気球、凌雲閣、新聞広告など、九十七の主題によって明治を語り、懐古した本書は、その静かな滋味あふれる語り口で、偉人文人たちの逸話を披露しつつ、事物の考証を通して市井生活のささやかな詩情にも光を当てる。

この本の目次

サーカス
ミラー公判
ポスト
野球
万年筆
西洋菓子
ペーパーナイフ
人力車
瓦斯
毛布〔ほか〕

読者の感想

2007.11.13 小玉頑固堂

「どうしてこれほどの人を読み逃していたんだろう!」と、読んで満喫しながら思いました。明治という時代を、これほど知的に、詩的に、柔らかく優しく、といってただ無闇に誉めるわけでもなく、実感を込めて語れる文筆家がいたんですね。子規、漱石、鴎外その他の人々を自在に語りつつ、自分は静かに微笑んでいるといった風情がいい。平成の、今の日本でこの本を読むと、さらにいい。

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