事的世界観への前哨  ─物象化論の認識論的=存在論的位相

廣松 渉

物的世界像を超えて

哲学や科学の「物象化的錯視」を批判し、存在論的・認識論的・論理学的諸契機の統一態として、新しい枠組「事的世界観」を構築。
【解説: 野家啓一 】

事的世界観への前哨  ─物象化論の認識論的=存在論的位相
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,650円(税込)
  • Cコード:0110
  • 整理番号:ヒ-2-3
  • 刊行日: 2007/10/10
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:480
  • ISBN:978-4-480-09100-0
  • JANコード:9784480091000
廣松 渉
廣松 渉

ヒロマツ ワタル

1933−94年。東京大学文学部哲学科卒業、同大学大学院博士課程修了。69年、名古屋大学助教授、その後東京大学教養学部助教授、同教授などを歴任。1946年、中学一年にして日本共産党傘下の日本青年共産同盟に加盟、その後日本共産党に入党するが離党。著書に、『唯物史観の原像』、『マルクス主義の地平』、『世界の共同主観的存在構造』、『もの・こと・ことば』、『物象化論の構図』、『存在と意味』1、2などがある。

この本の内容

「近代的世界像」の抜本的な再検討とそれに代わるべき新しい世界観の構築が哲学の課題となってすでに久しい。本書はそれに応えるべく著された、現代日本最大の哲学者による、近代的な世界了解の地平の全面的な超克を目指した壮大な哲学的営為。まず、カント、マッハ、フッサール、ハイデッガーの哲学的核心部分を鋭く抉り出し、新しい世界観のための構図と枠組を示す。さらに近代科学的自然像がいかなる変貌を遂げてきたかを追認しつつ、相対性理論、量子力学の提起した認識論的=存在論的な問題次元を対自化し、「物的世界像から事的世界観」への推転を基礎づけた廣松哲学の代表作。

この本の目次

第1部 近代哲学の世界了解と陥穽(カントと先験的認識論の遺構
マッハの現相主義と意味形象
フッサールと意味的志向の本諦)
第2部 物的世界像の問題論的構制(物体的自然像の構制要件
物理学的存在概念の変貌
現代物理と物象性の存立)
第3部 時間・歴史・人間への視角(時間論のためのメモランダ
歴史法則論の問題論的構制
人間論へのプロレゴーメナ)

この本への感想投稿

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。

(ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)







 歳

 公開可   公開不可