カントはこう考えた ─人はなぜ「なぜ」と問うのか

石川 文康

はじめてわかるカント

カントの根源的な問いとは何だったのか。『純粋理性批判』の核心を読み解き、「理性」の起死回生ドラマをわかりやすく解き明かす画期的入門書。

カントはこう考えた ─人はなぜ「なぜ」と問うのか
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,100円(税込)
  • Cコード:0110
  • 整理番号:イ-39-1
  • 刊行日: 2009/05/11
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:288
  • ISBN:978-4-480-09214-4
  • JANコード:9784480092144
石川 文康
石川 文康

イシカワ フミヤス

1946年、北海道に生まれる。同志社大学大学院博士課程修了。ドイツ、ハイデルベルク大学、ボン大学に留学。ミュンヘン大学、トリアー大学にて客員研究。東北学院大学教授、日本カント協会役員を歴任。哲学博士(Dr.phil.)。専門はカントを中心とする近世ヨーロッパ哲学。国際学会での学術講演や研究雑誌への寄稿など、海外におけるカント哲学研究の最前線で活躍。著書に"Kants Denken von einem Dritten"(ドイツにて刊)、『カントはこう考えた』『そば打ちの哲学』(以上、筑摩書房)、『カント 第三の思考』『良心論――その哲学的試み』(名古屋大学出版会)などがある。2013年2月没。

この本の内容

本書を読めば、哲学を勉強したことのないあなたでも『純粋理性批判』がわかる!本書では理性の宿命的パラドックスであるアンチノミー(二律背反)問題を中心に据え、カントが徹底的に追求した問いを、じっくりと解きほぐしていく。カントはこう考えた…西洋の近代合理主義で謳歌されてきた「理性」は、アンチノミーという身から出たサビを暴く理性批判によって、新たに復活しなければならない、と。この理性の起死回生のドラマをめぐる思考のメカニズムとダイナミズムを、さまざまなたとえを駆使してスリリングに読み解く。カント思想の核心がはじめてわかる、不朽の入門書。

この本の目次

第1章 理性とはどんな能力だろうか
第2章 理性が破綻する
第3章 理性の世紀の哲学ドラマ―理性の謳歌
第4章 理性の試練
第5章 理性の起死回生
第6章 「なぜ・なぜならば」の極限としての自由―起死回生(その二)

読者の感想

2010.6.03 生意気な大学生

哲学初心者の私でも、知的好奇心を燃やして頁を捲るに十分な1冊でした。理性、論理、倫理に使われる「理(reason)」字の意味が、石川文康氏の本質的かつ平明な文章のおかげでよく分かりました。また、自由の「由」は理由の「由」であること、自由とは第一の理由であることも印象に残っています。人間が自由意志を持った理性的存在者であり、因果論・経験的世界から独立した超越論的世界、道徳世界をも生きるという話には、他の動物には無い人間の素晴らしさを感じとることもできました。

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