柄谷行人講演集成1985−1988 言葉と悲劇
シェイクスピアからウィトゲンシュタインへ、西田幾多郎からスピノザへ。その横断的な議論は批評の可能性そのものを顕示する。計14本の講演を収録。
ソシュールからウィトゲンシュタインへ、西田幾多郎からスピノザへ―。1980年代後半の代表的講演を収録した本書で、柄谷は哲学、文学、宗教、言語学、経済学、数学など多様な領野を自在に行き来しつつ議論を繰り広げる。そこで執拗に追求されるのは、言語コミュニケーション(交換)における人間の悲劇的条件であり、他者との交通を可能にする普遍性がいかに生み出されうるかという問いである。いまなお多くの示唆に満ちたこれらの講演は、後の柄谷理論の展開を予感させるのみならず、批評という営み自体をも再審に付す魅力的な内容となっている。旧版の内容を再構成し、改稿を加えた決定版。
言葉と悲劇
ドストエフスキーの幾何学
漱石の多様性
江戸の注釈学と現在
「理」の批判―日本思想におけるプレモダンとポストモダン
日本的「自然」について
世界宗教について
スピノザの「無限」
政治、あるいは批評としての広告
単独性と個別性について
ファシズムの問題―ド・マン/ハイデガー/西田幾多郎
ポストモダンにおける「主体」の問題
固有名をめぐって
坂口安吾その可能性の中心
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