紀貫之
子規に「下手な歌よみ」と痛罵された貫之。この評価は正当なものだったのか。詩人の感性と論理的実証によって新たな貫之像を創出する。解説 堀江敏幸
紀貫之は「古今集」の重要な歌人かつ中心的な編者であり、「土左日記」の著者としても知られ、また「伊勢物語」の作者にも擬せられている人物である。しかし「下手な歌よみにて古今集はくだらぬ集」と正岡子規によって痛罵されて以来、つねにその言葉がつきまとい、正当な評価が妨げられてきた。はたしてそうだったのか?本書は、詩人の魂による繊細な鑑賞によって「子規以来」のイメージを覆し、貫之が「フィクション」として豊かな才能に恵まれていたことや古今集の特徴である象徴と暗示を体現した歌人であったことなどを、精緻に論証していく。貫之の復権を成さしめた画期的歌人論。読売文学賞受賞。
1 なぜ、貫之か
2 人はいさ心も知らず
3 古今集的表現とは何か
4 袖ひぢてむすびし水の
5 道真と貫之をめぐる間奏的な一章
6 いまや牽くらむ望月の駒
7 恋歌を通してどんな貫之が見えてくるか
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