「きめ方」の論理 ─社会的決定理論への招待
ある集団のなかで何かを決定するとき、望ましい方法とはどんなものか。社会的決定をめぐる様々な理論・議論を明快に解きほぐすロングセラー入門書。
ある集団のなかでみんなの意思がうまく反映された決定を下すには、どうすればいいだろうか。特に、各人の考えがバラバラで、にもかかわらずそれらを集約して一つの判断を下さなければいけないとき、望ましいきめ方とはどんなものだろうか。これを探究するのが社会的決定理論という分野である。様々な投票方式が生み出す矛盾から、アローの一般可能性定理、さらにはセンの自由主義のパラドックスやゲーム理論まで、この理論が含みもつ広範な内容をかみ砕いて丁寧に解説。社会的決定における「公正さ」「倫理性」とはどのようなものか検討する。最良の入門書として長年親しまれてきた比類なき名著。
序章 「どうしたらいいと思う?」
1 投票による決定
2 民主的決定方式は存在するか―アローの「一般可能性定理」をめぐって
3 個人の選好に対する社会的規制
4 個人の自由と社会の決定―自由主義のパラドックスをめぐって
5 ゲーム理論と社会道徳
6 「公正な立場」からみた社会的決定の論理
7 平等な社会と個人の倫理性
8 多様性の中に調和を―倫理社会の決定理論
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