世界のピアニスト 吉田秀和コレクション
華麗な旋律と深い詩
名ピアニストたちの芸術
アルゲリッチ、グールド、リヒテル…名ピアニストたちの芸術の特質と魅力を明晰に論じる愉しさあふれる演奏家論。
【解説: 青柳いづみこ 】
ポリーニ、アルゲリッチ、グールド、ホロヴィッツ、リヒテル、ツィマーマン…世界の名ピアニスト29人に光をあて、その芸術の特性と演奏家独自の魅力を明晰な文章で論じる。ピアノ演奏の歴史をふり返り、文化的背景の考察もふまえて演奏家の内面に鋭く分け入り音楽の深い魅惑を指し示す。不世出の音楽批評家が、ピアニストたちの美の世界の魅力を語る愉しくも華麗な演奏論。
グルード
ベネデッティ・ミケランジェーリ
ルビンシュタイン
ゲルバー
ホフマンとソロモン
アルゲリッチ
アシュケナージ
グルダ
ギレリス
バックハウス〔ほか〕
2012.5.27 中村義隆
ピアニストについての評論ということで、3年ぐらい前にこの本を読んでみた。そのときは恥ずかしながら、「吉田秀和」という名前は知らなかった。ましてやその人が90歳を超えてなお「健在」どころか「現役」でさえあるなどとは。
読んでみると、書いた人がすごいとわかる。吉田さんの言葉遣いのリズムというのだろうか。頭の中で音楽が流れるのである。いや、もちろんそんなことはありえないので、そんな気がするのである。
結局私は、ちくま文庫で出ている全8冊をそろえてしまった(うち『セザンヌ物語』と『世界の演奏家』は積読中であるが)。
100歳になってもラジオの番組を続けているのではないか、そんな気もしていたが、残念である。いまごろは天国で加藤周一さんと文学談義でもしているだろうか。
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