愛とまぐはひの古事記
生きることは、まぐはふこと。
ここには性愛への敬意がある
最古の記録文学は現代人に癒しをもたらす。奔放なエロスと糞尿譚に満ちた破天荒な物語の不思議な清浄感。痛快古典エッセイ。
【解説: 富野由悠季 】
最古の記録文学『古事記』曰く。この国は「まぐはひ」によって生まれた。神人は感情を微塵もつつまず、激しく怒り、泣き叫び、哄笑する。生命の源である「性」がすべての中心にある。現代に疲れた人々が癒しを求めるならば、この「高貴な野獣」のような神と人の、エロスと糞尿譚に満ちた破天荒な物語に触れるとよい。不思議な清浄感、解放感とともに、生きる力が湧いてくる。
まぐはひで生まれた国
禁断の姉弟婚―アマテラスとスサノヲ
裸踊りで引きこもりを癒す―ウズメと猿田彦
女から誘うエロい歌―大国主神と女たち
まぐはひのご利益―イハナガ姫とサクヤ姫
日本古典「最恐」の呪い―海幸彦・山幸彦
大便美女のエクスタシー―神武天皇の皇后ホトタタラの母
大人のカラダになるということ―ホムチワケ
倭建命のエロス―倭建命
まぐはひ男女同盟―神功皇后
「恋の特権階級」に嫉妬した天皇―仁徳天皇
待ちすぎた女―雄略天皇と赤猪子
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