西成山王ホテル
飛田、釜ヶ崎……、大阪のどん底で強かに生きる男女の哀切を直木賞作家が濃密に描く。『飛田ホテル』に続く西成シリーズ復刊第二弾。解説 花房観音
片足に障碍を持ちながら山王町で水商売をする澄江は年下で喘息持ちの高井と心を通わせるが、西成で生きる人々の業がふたりに悲劇をもたらす(「湿った底に」)。裕福な家に育ち空虚な人生を送っていた青年と夜の街で奔放に踊る女性。互いに惹かれあいながらもすれ違う男女の行方(「落葉の炎」)。「魂の観察者」と称された作家が大阪西成を舞台に描く傑作短篇集。
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