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ちくま学芸文庫

重力と力学的世界 上

——古典としての古典力学

定価

1,430

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51033-4

Cコード

0142

整理番号

-18-4

2021/02/10

判型

文庫判

ページ数

400

解説

内容紹介

古典力学と古典重力論のもとづく天体力学は、西洋近代科学の中でも最も成功したものである。その始祖にあたるニュートンにとって〈重力〉とは、まだ「宇宙に偏在する神の支配と摂理の顕現」で、神学に包括されてはじめて完結し得るものであった。その後フランス啓蒙主義の、〈数理原理〉を独立させる捉え直しがあって、「ニュートンの力学」は「ニュートン力学」として了解され認知されるにいたった。この〈重力〉を関係概念・関数概念と位置付ける転換こそが、普遍必然的に自己完結した自然認識としての力学という力学的世界観が形成されていくことになる。まさにこの時、科学の真理性の限定と守備範囲の縮小が推進され、科学の意味を根底的に変化せしめる契機となった。
本書は,山本義隆氏の『磁力と重力の発見』や最近の『少数と対数の発見』へと続く一連の科学史モノの原点にあたる著作である。上巻は、「重力とケプラーの法則」から「オイラーの重力理論」までを収録。

目次

第1章 重力とケプラーの法則
第2章 重力にたいするガリレイの態度
第3章 万有引力の導入
第4章 “万有引力”はなぜ“万有”と呼ばれるのか
第5章 重力を認めないデカルト主義者
第6章 「ニュートンの力学」と「ニュートン力学」
第7章 重力と地球の形状
第8章 オイラーと「啓蒙主義」
第9章 オイラーの重力理論

著作者プロフィール

山本義隆

( やまもと・よしたか )

1941年、大阪府生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務。著書に『知性の叛乱』(前衛社)、『重力と力学的世界』(現代数学社)、『古典力学の形成』(日本評論社)、『解析力学』(共著、朝倉書店)、『磁力と重力の発見』『一六世紀文化革命』(以上、みすず書房)、訳書に、カッシーラー『アインシュタインの相対性理論』(河出書房新社)、同『実体概念と関数概念』(みすず書房)、ボーア『因果性と相補性』、同『量子力学の誕生』(以上、岩波書店)などがある。

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