リンダ・ノックリン
( りんだ・のっくりん )1931-2017年。美術史家。イェール大学、ニューヨーク大学インスティテュート・オブ・ファイン・アーツなどで美術史の教鞭をとった。著名な論文に“Why Have There Been No Great Women Artists?”が、著書にWoman, Art and Power and other Essaysなどがある。
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1,650
円978-4-480-51090-7
0171
-9-1
2021/12/09
文庫判
432
頁美術における政治的なものをどのように考えるべきか。クールベやマネ、ドガ、スーラらの19世紀絵画を、ヨーロッパ/オリエント、純粋芸術/大衆芸術、男性/女性といった、作品を取り巻く社会的・政治的関係性から読み解いていく。フェミニズムをひとつの起点として、より広く「美術史を〝他者性?の視点から考える」ことを目指した本書は、作品の新たな見方を提示するのみならず、従来の美術史規範の妥当性、イデオロギー性への問いをも投げかけた。表現形式の議論に偏重していた近代美術史に政治的視点をもたらし、美術史研究に新たな1ページを付け加えた名著。
1 アヴァンギャルドの創造―フランス、一八三〇‐一八八〇
2 クールベ、オリェールと場所の意味―一九世紀美術における地域性、地方性とピクチャレスク
3 虚構のオリエント
4 カミーユ・ピサロ―気取らない眼
5 マネの『オペラ座の仮面舞踏会』
6 ファン・ゴッホ、ルヌアールとリヨンにおける織工の危機
7 レオン・フレデリックと“労働者の人生の段階”
8 ドガとドレフュス事件―反ユダヤ主義者としての画家の肖像
9 スーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』―反ユートピアの寓意
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