リヴァイアサン (上)
各人の各人に対する戦いから脱し、平和と安全を確立すべく政治的共同体は生まれた。その仕組みを分析した不朽の古典を明晰な新訳でおくる。全二巻。
人間世界における自然状態は、絶対的に自由な状態であるがゆえに各人の各人に対する戦いが絶えない。これをいかに脱し、平和と安全を確立するか―。感覚器官の分析から始まる人間把握を経て、人々が自らの権利を、一人の人間あるいは合議体に譲渡し、政治的共同体を設立していく理路が解明される。イングランドの内乱を背景に、哲学と宗教論の全域にまで考察を行った書『リヴァイアサン』は、近代政治哲学を大きく切り拓くこととなった。この一大古典を17世紀という時代の特性を踏まえた明晰な新訳で届ける。上巻には「第一部 人間について」「第二部 政治的共同体について」までを収める。全2巻。
第1部 人間について(感覚について
想像について
想像の継起あるいは連続について
言葉について
推論および学問について ほか)
第2部 政治的共同体について(政治的共同体の諸原因、発生、定義について
設立による主権者の諸権利について
設立による政治的共同体のいくつかの種類および主権者権力の継承について
父権的支配権および専制的支配権について
臣民の自由について ほか)
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