読み書き能力の効用
労働者階級が新聞雑誌・通俗小説を読むことで文化に何が起こったか。規格化された娯楽商品に浸食される社会を描く大衆文化論の古典。解説 佐藤卓己
19世紀末に識字率が上昇し、一般大衆が新聞・雑誌・通俗小説などを読むことになって、イギリス文化には何が起こったのか。本書は、伝統的な労働者階級にあった感性が、大衆による「顔のない」文化受容によって変化していく状況を描く。新しく立ち現れた「ふつうの人間」は単純明快で、大衆向けにマスメディアが設計し与える出版物、類型的なラジオのダンス音楽やテレビのバラエティ番組を消費する。規格化された大衆的意見・大量娯楽商品・感情反応に浸食された先にあるのは、内面の「自由」の喪失である。社会階層論の基本書にして、文化研究の金字塔。
第1部 より古い秩序(誰が「労働者階級」か?
人間のいる風景―一つの舞台装置
「やつら」と「おれたち」
民衆の「本当の」世界
充実した豊かな生活)
第2部 新しい態度に席をゆずる過程(行動の源泉をゆがめること
わた菓子の世界への誘い―より新しい大衆芸術
より新しい大衆芸術―ぴかぴかの包みにつつまれた性
ゆがめられた源泉―緊張のないスケプティシズムについてのノート
ゆがんだ源泉―根こぎにされ、不安にさいなまれる者へのノート
結論)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
※は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。
(ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)
歳
公開可 公開不可