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ちくま学芸文庫

映画 視線のポリティクス

——古典的ハリウッド映画の戦い

フィルム・スタディーズという研究領域を切り拓いた画期的な映画生成批評

スタジオ・システム、監督と撮影所の対立、自主検閲組織など。様々な力学が働く中での映画の生成過程に実証的に迫った画期的書物。解説 板倉史明

定価

1,210

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51299-4

Cコード

0174

整理番号

-60-1

2025/05/08

判型

文庫判

ページ数

256

解説

内容紹介

スタジオ・システムという強力な支配形態のもとにおかれた、古典的ハリウッド映画産業。利潤追求を至上命令とする製作会社によって俳優・監督・脚本家他あらゆる関係者が管理されるなか、激動期のアメリカで、いかにして映画は製作されたのか。監督と撮影所の対立、陸軍による検閲、自主検閲的倫理規定ヘイズ・コード、第二次世界大戦のプロパガンダ映画、それに携わった黒人映画作家……。複雑な力学が働く映画の生成過程に、文書資料や関係者インタビューなど一次資料を用いて実証的に迫る。映画学(フィルム・スタディーズ)という研究領域を切り拓いた画期的作品。 解説 板倉史明

目次

第1章 検閲と生成 スクリューボール・コメディ論 
プレストン・スタージェス・コレクション/ジャンルと作家/フランク・キャプラと人民喜劇/署名のないフィルム/世界の中心ハリウッド/笑いの数値化/検閲と生成

第2章 喜劇映画作家がプロパガンダを撮るとき 
キャプラ都へ行く/ハリウッド戦時娯楽映画/戦前の喜劇映画/「キャプラ組」顛末記/システムと戦う個人/プロパガンダ映画のディコンストラクション/ディズニー・アニメーション/最後の人民喜劇

第3章 雇われた黒人 カールトン・モス・インタビュー 
老兵は死なず/プロパガンダを撮る/黒人よ銃を取れ/ワシントンから来た男/銃口は誰に向けられたか

第4章 ジャンルとジェンダー 
ジャンルの混淆/年少犯罪もの/ハリウッドの戦後体制/女のフラッシュバック/?の編集/最後の教訓

補 遺 映画製作倫理規定 
文庫版解説 種蒔かれた映画学 板倉文明 
映画題名索引

著作者プロフィール

加藤幹郎

( かとう・みきろう )

加藤 幹郎(かとう・みきろう):1957-2020年。長崎生まれ。筑波大学比較文化学類卒業、同大学大学院文芸・言語研究科単位取得退学。京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、同名誉教授。日本映画学会初代会長。著書に『映画館と観客の文化史』(中公新書)、『日本映画論 1933-2007』(岩波書店)、『荒木飛呂彦論』(ちくま新書)、『映画とは何か』『映画ジャンル論』(ともに増補改訂版、文遊社)などがある。

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