自分以外全員他人
真っ当に生きてきたはずなのに、気づけば人生の袋小路にいる中年男の憤りがコロナ禍の社会で暴発する! 純粋で不器用な魂の彷徨を描く第39回太宰治賞受賞作。
マッサージ店で勤務する柳田譲、44歳、独身。傷つきやすく人付き合いが苦手な彼の心を迷惑な客や俗悪な同僚、老いた母や義父が削り取っていく。自分が暴発してしまうまえに自死することだけが希望となった柳田をさらに世界の図らざる悪意が翻弄する―。第39回太宰治賞受賞作。
2024.1.20 カムニャン
ページを捲るたびに苦しくなるそんな小説。バックグラウンドにあるコロナ禍で、人の死が身近になっていたこともあり、主人公が繰り返す「自殺したいのではなく、自分が正しいと思う生き方をしたらきっと死んでしまう」という言葉も受け入れてしまい最後まで読み進みました。年齢も境遇も性格も出来事も全く無縁なはずなのに、初めはタイトル通りに「自分以外の他人」でしかない主人公に対して、いつの間にか応援までも共感してしまっていました。冒頭で語られた自転車の愉しみがラストには…
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
※は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。
(ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)
歳
公開可 公開不可