ねにもつタイプ

岸本 佐知子

観察と妄想と思索が渾然一体となったエッセイ・ワールド

観察と妄想と思索が渾然一体となったエッセイ・ワールド。ショートショートのような、とびっきり不思議な文章を読み進むうちに、ふつふつと笑いがこみあげてくる。

ねにもつタイプ
  • シリーズ:単行本
  • 1,650円(税込)
  • Cコード:0095
  • 整理番号:
  • 刊行日: 2007/01/25
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:四六判
  • ページ数:208
  • ISBN:978-4-480-81484-5
  • JANコード:9784480814845
岸本 佐知子
岸本 佐知子

キシモト サチコ

神奈川県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家・エッセイスト。主な訳書にミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』など。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

この本の内容

観察と妄想と思索が渾然一体となったエッセイ・ワールド。ショートショートのような、とびっきり不思議な文章を読み進むうちに、ふつふつと笑いがこみあげてくる。

この本の目次

ニグのこと
マシン
星人
馬鹿と高いところ
じんかん
△△山の思い出
ゾンビ町の顛末
郵便局にて
ぜっこうまる
ニュー・ビジネス〔ほか〕

読者の感想

2009.4.03 O串

ふと図書館で手に取った本は手に取ったが最後、返却する場所がわからなくなり(今手に取ったばかりなのに!)どうしようかなと思いながらも借りて来ました。

そして今感想をココに書かせていただいているわけですがズパリ、「すばらしい!!!」の一言です。こんな面白い本を書いてくれてありがとう。岸本さん。出してくれてありがとう。筑摩さん。

岸本さんの本を読んで「あ、こういうことを考えている人って私だけじゃないんだな。」とそう思いました。勿論岸本さんほど創造的な表現は私にはできませんが、こういった芸術的な方と同じようなことを考える私も、なぜだかクリエイティブな人間なのだよと言われたような。なんちて。

良い本に出会えて最高です。サイン会があったら絶対行きます。

2008.7.22 齋藤春美

市の図書館で「気になる部分」と共に借りハマリました。こう言っては失礼がちょいネガティブちょい残酷ノスタルジックさが自分と同じ匂いがして、改めて書店で買いました。妄想爆笑エッセイは他作家さんのを色々読み漁りましたが岸本さんほど共感出来ませんでした。「ああ私はこのままでいいんだ。自分の変かもしれない部分やコンプレックスさえよしとしよう。」と思わせてくれこれから生きてくうえでのバイブルて゜す。ただ残念。エッセイ本はこの2冊のみ。新作待ってますうっっっっ。

2007.11.14 カネッラ

根にもつ、とは大辞林によれば、<いつまでも恨みに思って忘れないでいること>とある。著者は翻訳者であるから、訳文をいじられたことなど、編集者への恨みなどが綴られているのではないかと、期待して読み始めたのだが、裏切られた。『Don't dream』ではthat節を気にしながら、コアラの鼻の材質にこだわっている、『西大后の玉』ではよしなに、とお含みおきください、にこだわっている、本書の多くの作品が彼女のこだわり方を示しているのだ。わずかに『奥の小部屋』だけが、黄色自転車への復讐を描いて、根にもつタイプを語っている。文章は女、村上春樹みたいで、素直な的確な表現で好感が持てるのに、このタイトルだけはまるで彼女の言葉<実体を知らずに字だけ見たら大変なことになりそうな言葉>のように、誤解を招く、というよりは無知な読者が間違ったことを覚えてしまう危険さえあるように思う。
それにしても、図書館を歩き回り、辞書を調べまくり、原作者に手紙まで出して、難解な原文を読み解こうとした昔に比べ、パソコンをクリックしただけで、問題が解決する現代、それだけ、翻訳家の想像力はこれほど、こだわりをもって広がるものかということに目を開かされた思いがした。

2007.9.24 くまさん

最高です。。。始めてこのような本に出会いました。。
図書館で借りたのですが、買っちゃいました。。

どんな本かは読んでからのお楽しみ。。。

2007.4.06 イヌヲ

「ねがもつ夜空のハナシ」

月は、私達が住む世界と未知の世界をつなぐ役目を果たす穴だと思っていた。そして、誰も夜空を見上げていない瞬間を見計らって、柔和な顔をしたいたずら好きの大男が月からぬうっと顔を出すのだ。そして、誰かが顔を上げようとしたその時、あわてて月の中にかがみ込むのだ。
そんな事を人に話しても相手にされないのは分かっていたので、ずっと胸の内にしまい込んでいた。ところが、そんな私と同じ様な想いを星に馳せていた人がいて感動!! 岸本さんはきっと私なのだ。いや私は岸本さんだ、とさえ言い切ってしまえる程、類似点多数(笑)。

2007.3.31 りんりん

全編に渡って、こんなに笑いが止まらなかったことって、初めてかもしれません。私も小さなことが気になる妄想好きです。だからキシモトワールドに引き込まれたんでしょうね。
ファンになってしまいました。

またこのイラストがとてもすてき。
第二弾を待っています。

2007.3.02 HIRONDELLE

岸本ワールドにはまってます

岸本さんの“ネにもつタイプ”は、『ちくま』を手にすると、毎回最初に読んでいます。(本にまとめられてタイトルの“ネ”がひらがなの“ね”に変わったのは何故でしょう?)岸本さんの文章に漂う、不思議な、後を引く可笑しさにはまっています。それと、私も“気がつかない星人”です。

2007.3.01 ねにもつおんな

「ちくま」に連載しているのを読み、作者の感性に引かれております。私よりとてもお若いのに、笑いの中に落ち着いた物の見方考え方があり、うーんとうなったり、にやっとしたり、とても楽しく、読み終りたくなくて、ゆっくり読みました。

2007.2.11 RN

今回のは「ちくま」で連載されていたエッセイ(今も連載中)を集めたものなので、ほぼ全て前に一度読んでいたものの、単行本を買って読み直して、またあらためてどっぷり岸本ワールドにはまってしまった。くせになる”奇妙な味”のエッセイ本です。外国小説(翻訳本)が好きな方のほうが、彼女の文はしっくり楽しめると思います。

2007.2.07 四季

岸本さんのエッセイ、待望の新刊! 本屋で見つけ、迷わず即買い。もちろん笑える。特にプリティ・ウーマンとチェリー・ボムの戦いは、何度でも音読してしまう。挿絵と内容の対応も、見事としか言いようが無い。

2007.2.01 C

ここ最近読んだ中で傑出して面白いエッセイでした。
訳本、他著作も是非読んでみたいです。

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