子は親を救うために「心の病」になる

高橋 和巳

「ママの苦しみを引き出すために、僕はもっとひどいことをしないといけない」

子は親が好きだからこそ、「心の病」になる。親は自分の人生を振り返ることで、真の解決にいたる。多くの親子を治療してきた著者が説く、心の発達の驚くべき仕組み。

子は親を救うために「心の病」になる
  • シリーズ:単行本
  • 1,870円(税込)
  • Cコード:0011
  • 整理番号:
  • 刊行日: 2010/03/08
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:四六判
  • ページ数:240
  • ISBN:978-4-480-84292-3
  • JANコード:9784480842923
高橋 和巳
高橋 和巳

タカハシ カズミ

精神科医。医学博士。1953年生まれ。福島県立医科大学卒業後、東京医科歯科大学神経精神科に入局。大脳生理学・脳機能マッピング研究を行う。都立松沢病院で精神科医長を退職後、都内でクリニックを開業。カウンセラーの教育にも熱心で、スーパーヴィジョンを行っている。著書に『「母と子」という病』(ちくま新書)、『子は親を救うために「心の病」になる』『人は変われる』(ちくま文庫)、『新しく生きる』『楽しく生きる』(共に三五館)等がある。

この本の内容

親のために、引きこもった男の子。摂食障害になった女の子。善悪が逆転した感覚を持ち、「虐待の連鎖」に悩む子育てママ。親とのつながりを持てずに育った女性の、「異邦人」のような存在感の希薄さ…。様々な症例を基に解明される、親子という「生きづらさ」の原点と、その解決。

この本の目次

第1章 息子は親を救うために引きこもった(学童期は親の生き方をまるごと取り入れる
反抗期の激しさは、親が教えた「心の矛盾」に比例する
「ママの苦しみをとるために僕は不登校になった」
親の老後が心配なので、僕は三二歳で引きこもった)
第2章 娘の摂食障害が、母親の人生を回復させた(拒食症は「我慢が第一」という生き方の結果
互いの我慢がとれて、母と娘の人生が回復する)
第3章 虐待されて育った子は「善と悪が逆」になっている(虐待を受けて育った母が、子どもを追いつめる
虐待が止まらないのは心理システムが逆転しているから)
第4章 親とのつながりを持てなかった子の不思議な訴え(親とのつながりを持てないと世界は希薄化する
この世界での解決は、「親と出会う」前に戻ること)
第5章 心の発達段階の最後、「宇宙期」とは何か(生きている実感がある、ない、の違い
成人期の先、「宇宙期」を推測する
「この世界」から離れ「宇宙期」へと至る心のプロセス)

読者の感想

2021.1.11 yosoji

子どもとの関係に悩み手に取りましたが、結果的に私の人生、そして親との関係にケリをつけるための本でした。私は第四章が当てはまります。物事の正解が分からないため、ずっと他人を観察し真似て生きてきました。日々間違えないように緊張し、自分の無価値観に悩んできました。この世界で生きていて良いのだという確証が欲しくてもがいてきました。自己啓発系の高額セミナーにも行きました。それでもモヤモヤが消える事はありませんでした。この本には私の根本的な問題、そして解決への道が記されていました。ようやく私自身が繋がった気がします。体に染み付いた緊張はすぐには解けないかもしれませんが、少しずつ「私」として前に進んでいこうと思います。この本に出会えたことに感謝します。本当にありがとうございました。

2015.5.22 ぼけなす

読み進めながらもの凄い衝撃を受けました。私は「親とつながりをもてなかった子」です。そして今までの人生の中で何度も「別の親だったら・・」と考えてきました。長く説明のつかないもやもやとしたこの気持ちは、永久に誰にも理解されないのだと気づいてしまった。読み終えた直後は、妻となり母となってしまったことへの後悔が押し寄せてきて、かなり精神をかき乱されました。そのくらい、心の奥深く深く掘り下げた、ある意味ショッキングな本でした。

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