鈴木浩三
( すずき・こうぞう )鈴木 浩三(すずき・こうぞう):1960年東京生まれ。中央大学法学部卒。筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業科学専攻修了。博士(経営学)。東京都水道局勤務。経営史家。主に経済・経営の視点から近世を研究している。著書『江戸の都市力』『地形で見る江戸・東京発展史』(以上、ちくま新書)、『江戸の風評被害』(筑摩選書)など。
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資本主義的な市場経済が発達していた江戸期は、「生き馬の目を抜く」社会であった。相場や貨幣改鋳、自然災害、役人の人事動向など、損得に関わる情報は瞬く間に拡がった。なかには虚説や、故意に脚色された風説やうわさもあった。こうした「風評」は、人びとの行動を左右し、政治経済をも動かした。触書などの史料をもとに風評被害の実態とその背景を読み解き、群集心理から江戸の社会システムに迫る歴史読物。
第1章 蕎麦を食べると当たって死ぬ―食品をめぐる風評被害
第2章 水道に毒が入れられた!
第3章 大地震と風評―社会不安を煽る虚説
第4章 貨幣改鋳と浮説・虚説―お金をめぐる風評被害
第5章 改鋳浮説の予防と金銀通貨統合をめぐる浮説
第6章 米相場と浮説―米価・貸借・棄捐令をめぐる風評被害
第7章 神社仏閣と「風評利益」
第8章 開帳とビジネス
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