弱いニーチェ ─ニヒリズムからアニマシーへ
ニーチェの言う「超人」は、弱い人間だった。世界哲学の視点からニーチェを読み直して見えてくる生命力あふれる人間像に混迷の時代を生き抜く新しい力を見出す。
ニーチェは一般のイメージとは異なり、「強い」価値や精神を否定していた。ニーチェの言う「超人」とは、「弱い」方向へと疾駆する、人間の生んだ「高い価値」とは無縁な総合的人間である。超人のなかでは、無数の他者やものやことが闘争しており、その過程で偶発的に生まれる“あいだのいのち”を感受して生きること(=アニマシー)こそニーチェが目指したものだった。世界哲学の視点からニーチェを読み直すことではじめて見えてくる生命力あふれる人間像に、混迷の時代を生き抜く新しい力を見出す。
第1章 ニーチェを考えるための前提作業
第2章 動物としての人間
第3章 あいだのアニマシー
第4章 ニーチェにおける生・ちから・自己
第5章 東洋哲学とニーチェ
第6章 解放するニーチェ
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