台湾 ─変容し躊躇するアイデンティティ

若林 正丈

海のアジアと陸のアジアに挟まれ、あたかも「気圧の谷」のような島、台湾。二つの価値観の境界で揺れ動く、その濃密な歴史を、現代アジア史の中に位置づけ直す。

台湾 ─変容し躊躇するアイデンティティ
  • シリーズ:ちくま新書
  • 836円(税込)
  • Cコード:0222
  • 整理番号:318
  • 刊行日: 2001/11/19
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:256
  • ISBN:4-480-05918-0
  • JANコード:9784480059185
若林 正丈
若林 正丈

ワカバヤシ マサヒロ

若林 正丈(わかばやし・まさひろ):一九四九年長野県生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院社会学研究科国際関係論修士課程修了(国際学修士)、同大学院博士課程退学。社会学博士(東京大学、一九八五年)。在香港日本領事館専門調査員、東京大学教養学部助教授、同大学総合文化研究科助教授、教授を経て、早稲田大学政治経済学術院教授、早稲田大学台湾研究所所長、台湾・政治大学台湾史研究所兼任教授などを歴任。著者に『台湾抗日運動研究 増補版』(研文出版)。また『台湾──分裂国家と民主化』(東京大学出版会)、『蒋経国と李登輝』(岩波書店)などで一九九七年サントリー学芸賞受賞、二〇〇八年刊『台湾の政治──中華民国台湾化の戦後史』(東京大学出版会)でアジア・太平洋賞および樫山純三賞を受賞。

この本の内容

中国大陸の東南、東北アジアの西南、東南アジアの東北に位置するこの島は、いわば海のアジアと陸のアジアの「気圧の谷」。アジア史の大きなうねりの中でその歴史を刻んできた。20世紀後半、経済発展と政治的民主化を得た台湾は、いま、どこへ行こうとしているのか―中国との平和的共存は可能なのか。東アジアにおける国際的役割とはなにか。日・米との関係は―緊張続く台湾の現在と未来を、濃密な歴史を掘り起こし、現代アジア史に位置づけ直すことによって解き明かしてゆく。

この本の目次

第1章 「海のアジア」と「陸のアジア」を往還する島―東アジア史の「気圧の谷」と台湾
第2章 「海のアジア」への再編入―清末開港と日本の植民地統治
第3章 「中華民国」がやって来た―二・二八事件と中国内戦
第4章 「中華民国」の台湾定着―東西冷戦下の安定と発展
第5章 「変に処して驚かず」―「中華民国」の対外危機と台湾社会の自己主張
第6章 李登輝の登場と「憲政改革」
第7章 台湾ナショナリズムとエスノポリティクス
第8章 中華人民共和国と台湾―結びつく経済、離れる心?
第9章 「中華民国第二共和制」の出発

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