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内容紹介
「ゆとり教育」をきっかけに始まった学力論争は結局、新自由主義的方向で決着しつつある。学習指導要領をめぐる混乱に見られるように迷走を続ける文部科学省は、産業界主導の能力主義派とそこに便乗するポストモダン評論家の間で揺れ動き、巨大なグローバリズムの流れのなかで平等主義という価値は大きく変更された。豊かな人間性を表すはずの「個性」はいつのまにか競争に生き残るための道具と変わってしまうのだ。レーガン・サッチャー改革で実現した欧米型個性浪費社会へと突入する日本の教育と社会のつながりを考察する。
目次
第1章 世紀末学力論争の構図(日本教育史の流れからみた「ゆとり改革」
これまでの能力主義を回復すべきなのか―近代能力主義派の議論 ほか)
第2章 近代能力主義(モダン・メリットクラシー)の歴史としくみ(学校と社会の接続のしかた
初めから全国標準化された日本の学校系統 ほか)
第3章 バブルと「新たなこころの発見」―ゆとり(脱近代カリキュラム)改革の経過(臨教審(一九八四~八七年)の逆ベクトル改革
教育的価値のコペルニクス的転換 ほか)
第4章 文部行政の宮廷革命―ゆとり改革と脱近代能力主義の政治力学(すべてのはじまりの臨教審(一九八四~八七年)
バブル教育政策を支えたポストモダニズム官僚・学者たち ほか)
第5章 脱近代能力主義(ポストモダン・メリットクラシー)の近未来(資本主義のフロンティア―地理的外延から「こころ」へ
国際能力主義(グローバル・メリットクラシー)の成長 ほか)
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