内部被曝の脅威 ─原爆から劣化ウラン弾まで

肥田 舜太郎 著 , 鎌仲 ひとみ

劣化ウラン弾の使用により、内部被曝の脅威が世界中に広がっている。広島での被曝体験を持つ医師と気鋭の社会派ジャーナリストが、その脅威の実相に斬り込む。

内部被曝の脅威 ─原爆から劣化ウラン弾まで
  • シリーズ:ちくま新書
  • 792円(税込)
  • Cコード:0236
  • 整理番号:541
  • 刊行日: 2005/06/06
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:208
  • ISBN:978-4-480-06241-3
  • JANコード:9784480062413

著者からのメッセージ

今こそ、内部被曝を知る時[全文を読む]

この本の内容

内部被曝とは、放射性物質を体内にとりこみ、長時間にわたって身体の内側から放射線を浴びることである。恒常的に被ばくすることで遺伝子が傷つけられ、癌などを誘発するといわれている。だが、このリスクを見極める研究は少なく、人体への影響をめぐっては議論百出だ。本書では、ヒロシマでの被ばく後、六十年にわたり内部被曝の研究を続けてきた医師・肥田舜太郎と、気鋭の社会派ジャーナリスト・鎌仲ひとみが、内部被曝のメカニズムを解き明かし、その脅威の実相に迫る。「劣化ウラン弾」などの大量使用により新たな様相を帯びる「核の脅威」に斬り込んだ、警世の書。

この本の目次

第1章 世界に拡がる被ばくの脅威(被ばくの論点
イラクの被ばく者たち)
第2章 爆心地からもういちど考える(爆心地の風景
内部被曝で死んでゆく人々
被ばく者特有の症状とは何か)
第3章 内部被曝のメカニズム(放射線の基礎知識
内部被曝の危険について
内部被爆の症状)
第4章 被ばくは私たちに何をもたらすか(アメリカの被ばく者たち
劣化ウラン弾は何をもたらすか)
第5章 被ばく体験を受け継ぐ

読者の感想

2011.11.08 たつまき

低線量でも変らない放射線被曝による各種症状の一覧
  ―低線量でも変らないチェルノブイリの苦難の経験は日本で繰り返されている


1)頭:頭痛、めまい、ぼうっとする、考えがまとまらない、ハイになる、うつになる、計算ができなくなる、多動様、二世においては少し知性に異常がでる、ノイローゼ、てんかん
2)粘膜:目、鼻、口、喉、声帯、性器関連の炎症が繰り返される。
目は子供にも白内障がのちのち増える、声帯が痛んで声が出なくなる。繰返し及び多発する口内炎。鼻:線量の高い低いにかかわらず、子供大人にかかわらず出る鼻血、あるいは異常な色の鼻水。歯茎からの出血。虫歯の悪化。
3)肺:咳、色付きのタンが止まらない。カラ咳。風邪と違う。あるいは繰り返す風邪。風邪が治らず気管支炎、肺炎と繰り返して入退院するようになる。喘息になる。子供は特に肺炎にかかりやすくなる。
4)胃腸:下痢または軟便が長期にわたり続く。胃の上部がしまった感じで食べ物が入って行かない、食欲が無い、吐き気、嘔吐、揚げ物がむかつく、量が食べられなくなる。胃が痛くなる。
5)疲労感:突然襲ってくる、身体のだるさが続く、眠くて仕方がない、立ってられない、子供の場合はゴロゴロしている。今まで感じたことのないだるさ。→原爆ぶらぶら病にとてもよく似ている
6)脱毛:徐々に抜ける場合もある
7)腎臓:夜中に腰の上あたり、腎臓のあたりが激痛が走るようになる。押すと少し楽になるが、ときどき起こる。腎臓炎、膀胱炎など。おねしょ。
8)耳:中耳炎を繰り返すようになる
9)皮膚:アレルギー症状の悪化、手の皮が剥ける、傷が治りにくい、ヘルペス=疱疹。皮膚が弱くなる。
10)心臓:大人も子供も心臓が痛くなる、病院に行って心電図をとってもらうが異常が出ない。夜中に踏まれたように胸が痛くなる。血圧異常が大人にも子供にも起こる。息が切れるようになる。パタンと倒れる。老若にかかわらず突然死 [福島原発-1で作業員百数十人が心筋梗塞で死んだ]。
11)関節痛、あるいは骨の痛み、骨の異常
12)生理不順、出血異常。女性器に関するトラブル。乳ガンなどの増加
13)甲状腺の異常、腫れ
14)リンパ節の腫れ、特に首や脇の下
15)その他:発熱など、神経反応の異常、ホルモンの異常、内分泌の異常、
16)出産の異常、分娩の異常、出生率と死亡率の逆転(汚染地域)

2008.12.08 からきち

 この本を私たちのもとに届けてくださってありがとうございます。
私は鎌仲ひとみさんの映画を見ました。ですので、この本のことを知り、購入いたしました。

この本にある、核の危険性や、被ばく、放射能被害などについて、知ることができて本当によかったです。 

ちょうど昨日浜岡原子力発電所に見学に行ってきました。いろいろなことに驚きました。スタッフや案内人は皆「安全」という言葉しか口にせず、安全だということを猛アピールしていました。
確かに安全に気を使っていることはわかりますし、それは核を扱う上で当たり前のことです。

ですが、この本にある、何が危険なのか、ということは何もわからないのです。何が危険かがわからない見学者に安全性を解いたところで本質は何も見えてきません。
周りの同じ学生らは、それを鵜呑みに、「原子力発電は安全なんだね。思っていたのとぜんぜん違った」と言っていました。

それは本当に恐ろしいことだと怖くなりました。
これが多くの人の見解なのか、と。

この本があったことは私にとって考える力を与えてくれました。
今日本は国をあげて原子力を推進しています。
でも誰もそのことについて教えてくれません。自分で調べたり、探すしかない状況です。

核の情報が隠されるように、私たちにとって必要な情報は簡単には見えません。

だからこそこの本があってよかったと思います。

多くの人がこの本を手に取り、少しでも私たちの生活や本当の豊かさについて考えるきっかけになることを祈っています。
私はこの本を読み、何も知らされない現状に悔しく、悲しいとも思いました。ですがあきらめたくない、と思いました。

本当にありがとうございました。

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