ちくま新書

日本経済の死角
─収奪的システムを解き明かす
河野龍太郎
著
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二〇〇五年八月で敗戦から六〇年を迎える。六〇年とは、ほぼ二世代の年月だ。子へ孫へと“戦争の記憶”というバトンはきちんと手渡されているだろうか。本書は湾岸戦争以後、アフガン戦争、イラク戦争と続く現代の戦争空間を視野に収めながら、「当時者意識の希薄化」という危機感のもとに、アジア太平洋戦争を私たちがどのように記憶し、あるいは忘却してきたのかを検証する。戦後五〇年から戦後一〇年まで、文学者、新聞メディアの言説をさかのぼり、一九四五年八月の敗戦をまたいだ詩人・高村光太郎の戦中・戦後に焦点を合わせ、戦争の記憶をリセットする力に対峙する思考をさぐる。
序章 記憶のレッスン
第1章 見えない戦争―湾岸戦争と『敗戦後論』(見世物としての戦争/戦争という見世物
湾岸戦争詩の波紋 ほか)
第2章 戦争という名のテロリズム―9・11と「四千の日と夜」(二〇〇一年九月一一日
“ブッシュはカイバルを知っているのか?” ほか)
第3章 “戦後”の変容―メディアの言説から(一九九五年(戦後五〇年)
一九八五年(戦後四〇年) ほか)
第4章 敗戦をまたぐ―「一億の号泣」(東京大空襲体験者の描いた絵
高村光太郎の空襲体験 ほか)
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