「私」はいつ生まれるか
｢自分｣という意識はどのようにしてできるのか。心の発達と進化、両面からその起源を探り、｢他者｣との関係のなかで育まれ、ダイナミックに変化する｢私｣の姿を追う。
自分とは何か。誰もが一度はそんな思いにとらわれる。私たちは物心ついたときから、自分を「私」と認識し、「それは私のもの」と所有を主張する。自己意識とは、一体いつ、どのようにつくられるのだろうか。相手の心がわかる心＝「心の理論」「メンタライジング」などを手掛かりにして、他者やモノとの関係性によって生じ、ダイナミックに変化する。「自己」の姿を、認知科学・発達心理学の知見をもとに探求。ニホンザルやチンパンジー、さらにヒトの子どもを対象に、系統発生的・個体発生的な自己の起源を探り、根源的なテーマに挑戦する。
第１章 「私」という認識
第２章 「私」の発達
第３章 「私」の進化
第４章 他者の心と出会う「私」―メンタライジングの発達
第５章 他者の心がわかる「私」―心の理論の進化
第６章 ロボットに宿る「私」
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