未完の明治維新
「武士の革命」の夢と挫折
明治維新は〈富国・強兵・立憲主義・議会論〉の四つの目標が交錯した「武士の革命」だった。それは、どう実現されたのだろうか。史料で読みとく明治維新の新たな実像。
明治維新は尊王攘夷と佐幕開国の対立が一転して尊王開国になり、大政奉還の後に王政復古と討幕がやってくるという、激しく揺れ動いた革命だった。そのために維新が成就した後、大久保利通の殖産興業による富国、西郷隆盛の強兵を用いた外征、木戸孝允の憲法政治への移行、板垣退助の民撰議院の設立の四つの目標がせめぎあい、極度に不安定な国家運営を迫られることになった。様々な史料を新しい視点で読みとき、「武士の革命」の意外な実像を描き出す。
第1章 明治維新の基本構想
第2章 幕府か薩長か
第3章 大蔵官僚の誕生
第4章 三つの「官軍」と「征韓論」
第5章 木戸孝允と板垣退助の対立
第6章 大久保利通の「富国」路線
第7章 「維新の三傑」の死
第8章 立憲派の後退
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革命前の団結と革命後の分裂[全文を読む]