父と子の思想 ─日本の近代を読み解く

小林 敏明

葛藤が照らし出すもの

父子関係から近代日本を捉えたとき、何が見えてくるのであろうか。代表的な文学作品を手がかりにして、いまだ消えることのない思想的問題が明らかにされる。

父と子の思想 ─日本の近代を読み解く
  • シリーズ:ちくま新書
  • 858円(税込)
  • Cコード:0210
  • 整理番号:790
  • 刊行日: 2009/06/08
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:272
  • ISBN:978-4-480-06490-5
  • JANコード:9784480064905
小林 敏明
小林 敏明

コバヤシ トシアキ

1948年岐阜県生まれ。1996年ベルリン自由大学学位取得。ライプツィヒ大学教授資格取得を経て、現在ライプツィヒ大学東アジア研究所教授。専門は哲学・精神病理学。著書に『精神病理からみる現代思想』(講談社現代新書)、『西田幾多郎――他性の文体』(太田出版)、『西田幾多郎の憂鬱』(岩波書店)、『廣松渉――近代の超克』(講談社)、『憂鬱な国/憂鬱な暴力――精神分析的日本イデオロギー論』(以文社)ほか。

この本の内容

父と子(特に息子)の間には、母とのそれにはない、独特な感情の交錯がある。しかし、そこにはまた、私的な関係におさまらないものも胚胎されているのではないか。本書は、近代日本における父子問題の典型を、夏目漱石、中野重治、中上健次の作品から浮きあがらせた前半部と、それらを思想的にとらえなおしたとき、何が見えてくるのかを論じた後半部からなる。父子関係がわれわれにとって持つ意味とは何か。読者は近代を貫く大きな問題系へと引き寄せられることだろう。

この本の目次

なぜ父子を問題にするのか
第1部 文学に見る父子(通じあえない父子
拮抗する父子
「父殺し」の試み)
第2部 父子問題の射程とその行方(知識人をめぐって
家・田舎・辺境
回帰の構造
父子問題の現況について)

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