教育改革のゆくえ ─国から地方へ

小川 正人

食いモノにされる教育行政

二〇〇〇年以降、激動の理由は? 文教族・文科省・内閣のパワーバランスの変化を明らかにし、内閣主導の現在、教育が政治の食い物にされないための方策を考える。

教育改革のゆくえ ─国から地方へ
  • シリーズ:ちくま新書
  • 814円(税込)
  • Cコード:0237
  • 整理番号:828
  • 刊行日: 2010/02/08
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:240
  • ISBN:978-4-480-06536-0
  • JANコード:9784480065360
小川 正人
小川 正人

オガワ マサヒト

1950年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学、教育学博士。東京大学大学院教育学研究科教授を経て、2008年より放送大学教授。専攻は教育行政学。研究者の立場から国や自治体の政策づくりに関わる。福田・麻生内閣の教育再生懇談会委員や、2006年に約40年ぶりに国が行った小中学校教員勤務実態調査の研究代表をつとめた。現在、文科省の中央教育零議会委員、日本教育行政学会長(08〜10年)等。著書に『市町村の教育改革が学校を変える』(岩波書店)、『現代の教育改革と教育行政』(放送大学教育振興会)、『分権改革と教育行政』(ぎょうせい)、訳書に『日本の教育政策過程』(三省堂)などがある。(写真提供:共同通信社)

この本の内容

戦後長らく自民党文教族や文部官僚を核として全国一律のボトムアップ型政策決定がなされてきた教育行政。しかし二〇〇〇年以降、内閣主導の改革が急速に進み、予算も大幅に削られて危機的な状況にある。また、地方分権の流れの中で地域間格差も拡大しつつある。本書は、内閣・文科省・文教族のパワーバランスの変化を明らかにし、“政治主導”の現在、教育が政治の食い物にされないための方策を考える。

この本の目次

第1章 自民党政権時代の教育政策(政府・自民党の政策決定のしくみと文教族
文部科学省の組織と特質
旧来型教育政策決定の特徴)
第2章 “政治主導”の教育政策決定―一九九〇年代以降の大変動(一九九〇年代の政治改革と二〇〇一年の中央省庁再編
三位一体改革による政治力学の変化
後退する文教族の政治力
教育振興基本計画の策定過程
政治主導と文部科学省内の変化)
第3章 三位一体改革と義務教育「格差」の拡大(複雑な義務教育の行財政システム
三位一体改革と義務教育費国庫負担制度の縮減
三位一体改革後の地方義務教育財政の実態
準要保護家庭への就学援助補助金廃止)
第4章 揺れる教育委員会制度(教育委員会制度とは何か
地方分権改革と教育をめぐる「大政治」の復権
教育委員会制度の功罪と廃止論)
第5章 新たな教育行政システムに向けて(義務教育財政制度の改革課題
教育委員会制度の改革課題
教育特定交付金と教育委員会制度の再生)
終章 期待と不安が交錯する教育政策のゆくえ

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