久保田展弘
( くぼた・のぶひろ )1941年生まれ。早稲田大学卒業。アジア宗教・文化研究所代表。専攻は比較宗教学、文化論。一神教・多神教世界を、多岐にわたるテーマから追究し、独自の宗教研究を展開する。主な著書に『日本の聖地』(講談社学術文庫)、『さまよう死生観』(文春新書)、『荒野の宗教・緑の宗教』(PHP新書)、『狂と遊に生きる―― 一休・良寛」(中央公論新社)、『原日本の精神風土』(NTT出版)、『役行者と修験道』(ウェッジ選書)など多数ある。
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仏教は、呪術性と身体性を強めることによって、人々を救済する宗教となった。たとえば、坐禅。あるいは、念仏。こうした呼吸法をともなう身体感覚をつうじて、仏の教えははじめて深々と腑に落ちる。宗教とは信仰の世界の話であり、論理の積み重ねだけで語ることはできない。仏教は、老病死に向き合う高齢者にどう応えられるのか。生きることに虚しさをおぼえる人々に、どう語りかけることができるのか。現代から、あらためて問う。身体感覚から読み解く仏教史2500年。
第1章 ブッダとダルマ―仏教を実感するとき
第2章 縁起・空、そしてこころの変革
第3章 仏教の変容と救済―インドから中国・日本へ
第4章 法華経―現世に向き合うとき
第5章 浄土教と日本人の霊魂観
第6章 華厳経の現代―その世界観・生命観
終章 いのちという身体感覚
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