空海の思想
千年の時空を超えて甦る真実
「密教」の中国伝播という仏教の激動期に入唐した空海は何を得たのだろうか。中世的「弘法大師」信仰を解体し、空海の言葉に込められた「いのちの思想」に迫る。
七世紀に勃興したイスラームの東進に抗してインド仏教は大きく変化する。マントラ(真言)を中心に据え、それを唱える身体的修行によって精神の在り様の根本的転換を図ろうとする図ろうとする新しい仏教が姿を現す。それは「密教」と呼ばれ、七世紀中頃から八世紀初めに中国に伝播する。その仏教の激動期に空海は生まれ、新しい教えを求めて入唐する。そこで空海は何を得たのだろうか。空海が遺した言葉に向き合うことによって、中世的「弘法大師」信仰を解体し、空海の言葉に込められた「いのちの思想」に迫る。
序章 空海の真実を求めて(空海とわたし
立ちはだかる難関 ほか)
第1章 空海の願文―「一切衆生、皆これ我が四恩なり」(空海の願文、その歴史的位相
空海の願文、その様式 ほか)
第2章 「即身成仏」とは何か?―「父母所生の身において、速かに大覚位を証す」(「即身成仏」の義を求めて
『菩提心論』を読む―「即身成仏」の予備的考察 ほか)
第3章 「声字実相」とは何か?―「声字分明にして、実相顕る」(マントラ(真言)とは何か?
マントラは梵語で読むべし ほか)
終章 「万灯万花会の願文」―「虚空尽き衆生尽きなば、涅槃尽き我が願いも尽きなん」(多忙な空海
万灯万花会の願文 ほか)
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