女帝の古代王権史

義江 明子

古代天皇の継承は双系的なものだった。卑弥呼、推古、持統に焦点を当てて古代王権史を一望。男系万世一系という天皇像を書き換える。

女帝の古代王権史
  • シリーズ:ちくま新書
  • 924円(税込)
  • Cコード:0221
  • 整理番号:1555
  • 刊行日: 2021/03/04
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:256
  • ISBN:978-4-480-07381-5
  • JANコード:9784480073815
義江 明子
義江 明子

ヨシエ アキコ

1948年大阪府生まれ。71年、東京教育大学文学部史学科卒業。79年、東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、帝京大学名誉教授、文学博士。主要著書に『日本古代の氏の構造』『日本古代の祭祀と女性』『日本古代系譜様式論』『古代女性史への招待』『日本古代女性史論』『県犬養橘三千代』(以上、吉川弘文館)、『古代王権論』(岩波書店)、『天武天皇と持統天皇』(山川出版社)、『日本古代女帝論』(塙書房)、共編著に『日本家族史論集』全13巻(同)、『日本古代史研究事典』『平安時代儀式年中行事事典』(以上、東京堂出版)がある。

この本の内容

卑弥呼、推古、持統…、古代の女性統治者/女帝はどのような存在だったのか。かつては「中つぎ」に過ぎないと考えられていたが、この四半世紀に研究が大きく進み、皇位継承は女系と男系の双方を含む「双系」的にものだったことがわかった。七世紀まで、天皇には女系の要素も組み込まれていたのだ。古代王権史の流れを一望し、日本人の女帝像、ひいては男系の万世一系という天皇像を完全に書き換える、第一人者による決定版。

この本の目次

古代双系社会の中で女帝を考える
1 選ばれる王たち(卑弥呼から倭五王へ
世襲王権の成立)
2 王権の自律化をめざして(推古―王族長老女性の即位
皇極=斉明―「皇祖」観の形成
持統―律令国家の君主へ)
3 父系社会への傾斜(元明・元正―天皇と太上天皇の“共治”
孝謙=称徳―古代最後の女帝)
国母と摂関の時代へ向けて

読者の感想

2021.5.15 NK

古代日本における女性の活躍・機能・作用について急発展する考古学の最新の成果を取り込んだ内容がありがたい。
とかく単語の洪水で溺れそうになる歴史本だが単語のつながりを丁寧に示しているので読みやすいこと同種の出版物の中で白眉を成す。


とりわけ欽明~推古間の時代相から称徳に至る女性天皇のはたらきを分かりやすく解説する内容は古代史・ヤマト王権史のファンにとってうれしい。

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