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ちくま新書

だからフェイクにだまされる

——進化心理学から読み解く

定価

858

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07479-9

Cコード

0211

整理番号

1652

2022/05/09

判型

新書判

ページ数

208

解説

内容紹介

「フェイクニュース」が、社会に只ならぬ影響を与えている実態が知られるようになってから久しい。2017年頃から関連した書籍も増えている。コロナ禍でもねじ曲げられた誤情報が人々を撹乱し、実態社会を動かす様をまざまざと実感した人も多いだろう。フェイクニュースに対抗する方法として、個人ひとりひとりが情報リテラシーを身につけることが提唱されているが、なかなか功を奏しない。その理由は、人が情報の真偽を見抜くように歴史的に訓練されていないことにある。近年、人の行動や心理は生理学や進化の観点から、ほぼ説明がつくことがわかっている。これを進化心理学と呼ぶ。人の無意識の行動や本能は長い時間をかけて形成されてきたが、人間を取り巻く環境や文化が急速に発展し、追いついていないために様々な問題が生じている。本書では進化心理学を基軸に、フェイクニュースひいては人と情報を取り巻く遺伝的・文化的背景を解き明かす。本書により「なぜだまされるのか」「なぜ広めるのか」が理解できる。個人の情報リテラシー力強化による努力だけではなく、社会的な制度や取り組みが必要とされる背景にも触れ、フェイク時代に突入した現代社会に警鐘を鳴らす。

目次

第1章 見かけがつくるフェイク―演出までには至らぬ装い
第2章 共感に訴えるフェイク―人の話を信じる理由
第3章 言語が助長したフェイク―想像の果たす役割
第4章 自己欺瞞に巣くうフェイク―承認欲求の暴走
第5章 科学の信頼を利用したフェイク―未来予測の限界
第6章 誤解から生じるフェイク―行動選択の偏り
第7章 結束を高めるフェイク―部族意識の功罪
終章 フェイクとどのように対峙していくか

著作者プロフィール

石川幹人

( いしかわ・まさと )

1959年東京生まれ。東京工業大学理学部応用物理学科卒。同大学院物理情報工学専攻、松下電器産(株)マルチメディアシステム研究所、(財)新世代コンピュータ技術開発機構研究所などをへて、1997年より明治大学文学部助教授。現在、明治大学情報コミュニケーション学部教授、博士(工学)。専門は認知情報学および科学基礎論。主な著書に『人はなぜだまされるのか』(講談社ブルーバックス)、『人は感情によって進化した』(ディスカヴァー21携書)、『心と認知の情報学』(勁草書房)、『入門・マインドサイエンスの思想』(共編著、新曜社)、主な共訳書に『ダーウィンの危険な思想』(ダニエル.C.デネット、青土社)がある。(写真撮影:井上賀津也)

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