社会主義前夜 ─サン=シモン、オーウェン、フーリエ
格差によって分断された社会を、どのように建て直していくべきなのか。革命の焼け跡で生まれた、”空想的”でも”社会主義”でもない三者の思想と行動を描く。
サン=シモン、オーウェン、フーリエ。この三人の名を聞けば、多くの人が「空想的社会主義」という言葉を連想するだろう。だが、彼らの一人として社会主義を打ち立てようとした人はいないし、地に足のつかない夢想家でもない。現在から見れば、彼らは社会企業家や社会プランナーとも呼べる存在だった―。一九世紀初頭、フランス革命と産業革命という二つの革命によって荒廃し、格差で分断された社会をどのように建て直すのか。この課題に取り組んだ三者の思想と行動を描く。
第1章 市民革命と産業革命―社会をめぐる動揺と混乱(「社会」の出現
フランス革命
革命の焼け跡の中で)
第2章 ナポレオンのヨーロッパ―社会の安定を目指して(ヨーロッパ国際情勢の安定の中で
実践と思想の共時性
社会の理想を描く)
第3章 ウィーン体制としばしの安定―社会の理想を求めて(産業発展と自由、あるいは現実
資本主義は悪なのか
資本家と労働者の融和)
第4章 成長する資本主義の下で―出現した社会の問い直し(資本主義社会の矛盾
資本主義の否定か、資本主義の中での改革か
空想から科学へ)
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