博徒の幕末維新
黒船来航の動乱期、アウトローたちが歴史の表舞台に躍り出てくる。虚実を腑分けし、稗史を歴史の中に位置付けなおした記念碑的労作。解説 鹿島茂
黒船来航後の動乱期、それまで歴史の裏に潜んでいたアウトローたちが表に躍り出てくる。なぜか?博徒・侠客としてひと括りにされる彼らアウトローは、錦絵や講談・浪曲、大衆小説等で縦横無尽の活躍を演じていたが、それは虚実入り混じっての密着固結したイメージで、実像とはとても言い難い。著者は虚像を覆う危うい皮膜を一枚一枚剥ぎながら、島抜けをした甲州博徒の巨魁・竹居安五郎やおなじみの国定忠治、黒駒勝蔵、勢力富五郎らの実像に一歩一歩迫る。歴史学の手法にのっとって幕末維新史に博徒を位置づけ直した、記念碑的労作。
第1章 黒船と博徒竹居安五郎―嘉永六年六月八日夜(竹居安五郎新島を抜ける
流刑の島新島 ほか)
第2章 博徒の家と村―博徒はいかに生まれしか(甲州八代郡竹居村
水論と山論の村―外に向かう竹居村 ほか)
第3章 嘉永水滸伝(水滸伝の近世
勢力富五郎関東取締出役を翻弄す ほか)
第4章 博徒の明治維新―黒駒勝蔵と水野弥三郎(竹居安五郎の復活と謀殺
草莽の博徒黒駒勝蔵 ほか)
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