イリノイ遠景近景
イリノイのドーナツ屋で盗み聞き、ベルリンでゴミ捨て中のヴァルガス・リョサと遭遇……話を聞き、考える。名翻訳者の傑作エッセイ。解説 岸本佐知子
近所のドーナツ屋で野球帽の男たちの話を盗み聞きする、女性ホームレスの緊急シェルターで働く、ナヴァホ族保留地で働く中国人女性の話を聞く、ベルリンでゴミ捨て中のヴァルガス・リョサに遭遇する…アメリカ・イリノイ州でトウモロコシ畑に囲まれた家に住み、翻訳や聞き書きをしてきた著者が、人と会い、話を聞き、考える。人々の「住処」をめぐるエッセイの傑作。
平原の暮らし(トウモロコシのお酒―わたしは今や、真実トウモロコシ畑のど真ん中で暮らす者となった
盗み聞き―午後一時から四時半までかならずそのドーナッツ屋にきている男たちがいる ほか)
十月のトニ(三百ドルの使い途―その三百ドルからの最初の支出は‐二ドル五十セント。グリッツ二人前
葬儀館そしてアイダ/イザベル―「アイダがきたわ」とトニがいった。「イザベルだってば」とわたし)
ギヴ・ミー・シェルター(ギヴ・ミー・シェルター(1)―ホームレスの女性のために設けられた宿泊所を手伝うことになった
ギヴ・ミー・シェルター(2)―竜巻です、竜巻が目撃されました。皆さん、ただちに避難してください ほか)
ベルリン記(ベルリン六月―謎のビストロ。座像のブレヒトさんの瞳のない目。首に白ネズミをはわせた鼠男
ベルリンあるいは悪い夢―出番が来たのにまだ衣装もつけていない。いったいこれは悪夢なのか ほか)
冬のニューメキシコ(帆船岩山のオアランド―オアランド・ジョーはアメリカン・インディアンの三十四歳の彫刻家である
雨蛇の青い目―離婚よ!は、は、は。離婚手続きの弁護士料をはらうために、壺を一個送ったの ほか)
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