回り灯籠
「この世を飛び去るに及んできれいに死を迎えたい」
「この世を飛び去るに及んできれいに死を迎えたい」自らが描き続けてきた作中の歴史的人物のように、潔く死と向きあった作家。最後の連載随筆を一冊にまとめる。
自らが描き続けてきた歴史上の人物のように、潔く死と向きあった作家。死生観や取材の思い出などを綴った最後の連載随筆を一冊にまとめる。
回り灯篭(回り灯篭
未完の作品
歴史の襞
雉鳩
われ百姓の… ほか)
新潟旅日記(郷愁のある町
栃尾での昼食
唐爺や
白根の凧
妻と佐渡 ほか)
きみの流儀・ぼくの流儀(対談 吉村昭・城山三郎)
2007.2.27 高山
淡々としており、肩がこらずに読める。城山氏との対談では大いに参考となる点多し。
取材旅行の舞台裏がわかり、それぞれの作品を読みたい衝動にかられました。
2007.2.14 守友宗次
私と同世代の作家に殊のほか親しみを感じ読ませていただきました。
とりわけ歴史小説等の調査にあたられての緻密さ、厳しさに感服いたしました。
「雉鳩」や「ささやかな葬儀」などにみられる氏の心のやさしさに感動いたしました。
最後の城山三郎氏との対談から良心的作家とは何か、を教えられました。
吉村昭氏がお亡くなりになられたこと残念です。
謹んでおくやみ申し上げます。
2007.2.01 北渡世
また会いましょう
昨夏、日暮里のホテルで営まれたお別れ会で御子息が「父は生前他人に迷惑をかけないようにといつも言っておりました」と述べておられたように、吉村昭さんの作品は歴史小説もさることながら、現代小説やエッセイの地脈を打つ律儀さやユーモアも欠かせない。そんな意味で「回り灯籠」こそが敬愛する吉村作品群の最終巻にふさわしい。吉村さん、有難うございました。また会いましょう! 合掌。
2007.1.24 (読者カードより)
昔、吉村昭さんの「漂流」を読み衝撃を受けて以来ずっと読み続けてきました。
学校で習った表面的な近代日本史は語らなかったけれど、物語性に富んだ吉村歴史文学は実に魅力的で次から次へと読書欲を誘われました。その間の滋味のあるエッセイにも何度感動を覚えさせられてきたことでしょう。この最後のエッセイ集は大切に本棚にずっと置かせて頂こうと思います。吉村さん、ありがとうございました。
2007.1.18 そのまんま西
サヨナラ吉村さん、アリガトウ筑摩サン
吉村昭ファン、彼の作品はほとんど持っています。遺作になった「死顔」のラストの節子夫人(津村節子)の〝後書きに代えて〟で終わりと思っていましたが、最後の連載随筆「この世を飛び去るに及んできれいに死を迎えたい」一冊にまとめてくれた筑摩書房に感謝! 筑摩は赤い人、熊撃ち、破船、冬の海、陸軍二等兵比嘉真一、東京の戦争、事物始まりの物語と回り灯籠で8冊。新潮社が38冊で最多。「拙作をお読み下さりありがとう存じます」の吉村氏のハガキ、私の宝物に!
2006.12.27 上原少年
影
吉村昭さんの「最期」の強烈さには、氏のふだんは他人のかいま見ることの出来ない、くらくて大きな「影」をふとみせた一瞬だったのではないでしょうか。少年・青年時代の大病、小説家をめざしながらの苦闘…。氏はそれらについて、(氏の「文学」への取り組み方なのでしょうが)きわめて淡々としていましたが、氏の作品を並べて読み進むと、余人にははかりしれない大きくて暗い「影」を感じます。われわれは、直にその「影」をついに氏から直接読むことは、かなわぬ願いとなりました。しかし、「影」をあえて見せないのが、吉村氏の文学だと思います。
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