人智学・心智学・霊智学
円熟期のベルリン講義
身体・魂・霊に対応する三つの学が、霊視霊聴を通じた存在の成就への道を語りかける。人智学協会の創設へ向け最も注目された時期の率直な声。
人智学協会設立までの3年間、シュタイナーは神智学協会年次大会で4日間ずつの連続講演を行った。その各年のテーマが、「人智学」「心智学」「霊智学」である。これは各々、シュタイナー人智学の体・魂・霊の三分法に対応するもので、それぞれが感覚論、判断・感情論をへて、霊視・霊聴を通じた存在へと成就する道が精査される。アリストテレスからブレンターノにいたる伝統的「霊魂論」の批判的検討に加え、なぜ心智学が精密科学の方法によっては証明できないものであるかなどを説き、神智学運動を理論的に基礎づけた、シュタイナー成熟期のトリロジー。
1 人智学(ベルリン一九〇九年十月二十三日‐二十七日)(人智学と神智学並びに人間学との関係―人間の諸感覚
人間の超感覚的な本性から諸感覚が生じる
高次の諸感覚―人体におけるエネルギーの流れと器官形成
人間の体と動物の体―言語感覚と概念感覚の育成―純粋思考―記憶)
2 心智学(ベルリン一九一〇年十一月一日‐四日)(魂を構成する諸要素―判断と愛憎
人間の魂の諸力の対立
外的な感性と内的な感性―感情と美的判断―感情と意志
意識―自我観念と自我の力―ゲーテとヘーゲル)
3 霊智学(ベルリン一九一一年十二月十二日‐十六日)(フランツ・ブレンターノ―アリストテレスの「霊」理論
神智学から見た真理と誤謬
霊視と想像力―霊的合一と良心―霊聴の中での霊視と霊的合一の統合こそが存在を成就させる
文化の発展と自然の法則、その中に生きる人間―家としての身体―生まれ変ろうとする意志)
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