消えたい ─虐待された人の生き方から知る心の幸せ
自分の「存在」を疑ったことはありますか?
「死にたい」ではなく、「消えたい」。その言葉には、親に虐待された人たちの存在の秘密が隠されていた。精神科医である著者が、幸せに生きる意味を考える。
自分の「存在」を疑ったことはありますか?親から虐待されて育った人たちは、普通とは全く違う世界を生きている。そこから見えてくる、人間の心、存在、そして幸せの意味とは?
第1章 もうこの世から消えてしまいたい(光の首飾り
被虐待児の人生から教えてもらったこと)
第2章 異なる世界で生きる人々(私には日にちがない
私には過去がない、それを返してほしい ほか)
第3章 児童虐待とはどういうものか(虐待かどうかの、二つの判定基準
虐待の継続性と異常性―虐待判定その1 ほか)
第4章 回復―一緒の世界でみんなと手をつなぐ(発達障害と誤診された被虐児、浩樹君の回復
生きる義務感を相対化する ほか)
第5章 心はさらに広い世界へ(社会的存在の範囲を生き直す
二つの存在を同時に生きる ほか)
2022.7.28 やん
自分がトラウマと向き合い回復する過程が、この本を読んで良かったんだと、他にも同じような人がいるんだと安堵した。
私は心療内科で幼少期に長期に渡って精神的な虐待を受けていますと診断されるまでは、自分で自分を責めていてつらく感じているのも気づいてないくらいでした。
また、カミュの異邦人に共感していたんですが、周りにそうではない人が多くてなんでこんなにも周りの人と違うんだろうと思ってきたことも、被虐児だったからかと。これまでの人生がそれでもよかったんだと肚落ちして、自分が人間でよかったんだとホッとしています。
回復しつつある今もどこか宙ぶらりんな感じもしますが、世間の声に潰されて自分が被虐児と知らないまま対処してもらえる医療機関に繋がれず、不安で緊張の中にいるのにも気付けていない方はまだまだ自分もそうでしたし、いるんだと思います。
他の同じような状況の方にも少しずつ還元していけたらと思いました。
2015.8.30 りんご
自分はどうして、これほどまでに「一人ぼっち」なのだろうという思いを伴侶に生きてきた半世紀でした。他の人たちが、楽しそうに暮らしている内側の世界へ、どうにかして、どうしても、絶対に入りたくて、入ってみたくて、たくさんの、本当にたくさんの扉を、手当たり次第にたたいては、「バタン」と思い切り突き返されて、また、一人ぼっちの自分の小さな世界に戻るということを繰り返してきました。本当に長かった。本当に苦しかった。
それは、これからも続き、永遠に終わらず、私は、このままあの星に戻っていくのだと、そういう心境に落ち着いてきたこの頃です。
高橋医師の本著を、繰返し繰返し読んでいます。クリニックに行ってカウンセリングを受けたいけれど、地理的制約、経済的制約でそれは不可能です。この本を読み、もう一人の自分を自分の中に育て、自分自身のカウンセリングを行っている状態です。それでも、私の心理状態はここ半年で劇的に変化しました。私は、みんなのいる内側の世界には入れないのだ。どれほど望んでも、入れないのだ。そのことを、受け入れること。自分の存在の本質を、ただ受け入れること。その一点に解決の全てがあること。
もしかすると、内側だと思っていたみんなの楽しそうな世界は外側で、私の目の前にある私の一人ぼっちの世界、そして、戻っていく宇宙の方が内側なのではないか。コペルニクス的転回さえあり得るのだという、広さ大きさを、高橋医師に教えていただきました。
ありがとうございました。
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