筑摩書房

　私は都内で施術院を開いているカイロプラクターです。私の患者さんは90％以上が女性で、毎日いろいろな体と心の不調をかかえる方々がきてくださいます。そんな患者さんたちは、見た目は若くきれいにしていても、実は健康面で様々な問題を抱えていることがとても多いのです。そんな中で、女性として、人間として、表面的な美しさだけでなく、細胞レベルから美しく健康になる方法を、探究するようになりました。
　現在、日本人女性の10人に１人は子宮内膜症、５人に１人は子宮筋腫、30人に１人は乳がんだと言われています。今の日本は食生活の欧米化、添加物の激増、環境汚染、薬物過多、過剰な電磁波、10代からのケミカル化粧品の乱用など、ただ普通に生きているだけでも、活性酸素を過剰に増やして体内老化を促進させ、現代病を招きやすくなっています。
　日本はますます少子高齢化社会への道を進んでいて、相変わらず女性は長寿世界一ですが、その反面寝たきり老人の数も多く、がん患者数もうなぎのぼり！自殺者は年間３万人以上です。世界的に見れば平和で豊かな国かもしれませんが、人間としての真の豊かさからは、少しずつ乖離していっているのかもしれません。
　まず今日何を食べるか。それが明日の私たちを作り上げます。食べて、そしていらないものは排出する。その循環が滞りなく行われていることが健康であり、美しさです。循環がストップして淀みのあるところに病気や肌トラブルが発生します。
　これは私たちの心も同じではないでしょうか。人に愛され、人から学び、美しいものを発見し、インプットしてきたものを今度は他の人にアウトプットする。しかしどんな人の心にも潜む闇である、憎む心や、妬む心、利己的な心はアウトプットせずに、捉え方を変えて浄化し、排出してしまうことができたら。そうすればきっと、淀みのない循環する心でいられるはずです。
　お釈迦様は、この世には「生老病死」の４つの苦しみが存在すると説きました。確かに私たちが生まれてきた時に最初に通る産道も、狭くて暗い道だったかもしれません。しかし、私は子供を出産した時に、自分もまたかつてこの道を通り、こんなにも一生懸命生まれてきたのだということに思い至りました。何かこの世にとても大事な用事があったような気がするのです。どんな人も、忘れているだけでこの世で何かやりたいことがあってわざわざあの道を通るのだという気がしてなりません。すべての命は尊い宝です。そして用事が終われば、また元いた場所に帰るだけ。用事があれば、また生まれてくるのでしょう。問題なのは帰るまでに何ができるか、どれだけ自分を成長させられるか、美しく花を咲かせられるかだと思うのです。
　そして、この世にいる間に起きる大きな苦しみのひとつは確かに「病」です。年老いることに伴う様々な体の不調や「老年病」もつらいです。しかし、これを予防し、健康的に美しく年を重ねることができたら！この世はずいぶん楽しい場所になります。
　せっかく授かったこの私たちの肉体を、どうしたらできるだけ錆びさせずに、いつもイキイキと美しく循環させていけるか！ その方法を食事、化粧品、生活全般について、いろんな角度で探求してみました。これは誰にでも少しの努力でできる、ひとつのステキな魔法なのです。
　さて、あなたもエイジレス魔女になってみませんか？
（かつた・さゆり　カイロプラクター）

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