「笛吹き男」の正体 ─東方植民のデモーニッシュな系譜
中世ドイツ・ハーメルンの「笛吹き男」伝説。一三〇名に及ぶ子供たちが突如消えた事件である。「東方植民」の視点から真相に迫り、ドイツ史における系譜を探る。
中世ドイツ・ハーメルンで起きた「笛吹き男」伝説。約一三〇名におよぶ子供たちが突如消えた事件として知られる。その真相は、歴史の闇に隠れ、解明は困難であるとされてきた。諸説あるなか、本書は、事件が東方植民へのリクルートの際に発生したという説に立つが、問題はそこで終わらない。この東方植民をキーワードにすると、ドイツ史の暗部が見えてくる。
序章 「笛吹き男」ミステリーの変貌
第1章 「笛吹き男」伝説の虚像と実像
第2章 事件に関する諸説
第3章 ハーメルンで起きた事件の検証
第4章 ロカトールの正体と東方植民者の日常
第5章 ドイツ東方植民の系譜
第6章 ドイツ帝国(一八七一‐一九一八)の植民地政策
第7章 ナチスと東方植民運動
第8章 「笛吹き男」とヒトラー
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