フーコー入門
絶対的な<真理>という<権力>の鎖を解きはなち、<別の仕方>で考えることの可能性を提起した哲学者、フーコー。一貫した思考の歩みを明快に描きだす新鮮な入門書。
「真理」「ヒューマニズム」「セクシュアリティ」といった様々の知の「権力」の鎖を解きはなち、「別の仕方」で考えることの可能性を提起した哲学者、フーコー。われわれの思考を規定する諸思想の枠組みを掘り起こす「考古学」においても、われわれという主体の根拠と条件を問う「系譜学」においても、フーコーが一貫して追求したのは「思考のエチカ」であった。変容しつつ持続するその歩みを明快に描きだす、新鮮な人門書。
序 現在の診断
第1章 人間学の「罠」
第2章 狂気の逆説
第3章 知の考古学の方法
第4章 真理への意志
第5章 生を与える権力
第6章 近代国家と司牧者権力
第7章 実存の美学
第8章 真理のゲーム
2019.7.14 taka
本作は、フーコーの著作を時系列に並べ、思索の変遷をたどる『フーコーの知見ガイドブック』である。著者・中山氏は的確で私のような「観光客」に分かりやすく、かつ理解の届く言葉でフーコーの知をガイドしてくれる。
著者の視点は、フーコーの代理人としてでなく、私たちと同様の「理解する立場」に置かれている。しかし、一方で、中山氏の思索も披露されており、それが本書の濃密さを担保している。フーコーのような知の巨人の言葉は、難解で私たち凡人には、なかなか理解できない。だからこそ、本書のような間を繋ぐ存在は貴重である。できれば、若い頃に出会いたかった本である。だからこそ、若い人に読んで欲しい一冊だと思う。
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
※は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。
(ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)
歳
公開可 公開不可