反〈絆〉論

中島 義道

〈絆〉は美しい言葉
だからこそ
暴力が潜んでいる

東日本大震災後、列島中がなびいた〈絆〉という価値観。だがそこには暴力が潜んでいる? 〈絆〉からの自由は認められないのか。哲学にしかできない領域で考える。

反〈絆〉論
  • シリーズ:ちくま新書
  • 836円(税込)
  • Cコード:0210
  • 整理番号:1103
  • 刊行日: 2014/12/08
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:208
  • ISBN:978-4-480-06811-8
  • JANコード:9784480068118
中島 義道
中島 義道

ナカジマ ヨシミチ

1946年福岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院人文科学研究科修士課程修了。ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士)。電気通信大学教授を経て、現在は哲学塾主宰。著書に『私の嫌いな10の言葉』『私の嫌いな10の人びと』(以上、新潮文庫)『哲学の教科書』(講談社学術文庫)『哲学の道場』『人生を〈半分〉降りる――哲学的生き方のすすめ』(以上、ちくま文庫)『反〈絆〉論』(ちくま新書)『明るいニヒリズム』(PHP文庫)『生き生きした過去――大森荘蔵の時間論、その批判的解読』(河出書房新社)などがある。

この本の内容

東日本大震災後、絶対的価値となった“絆”という一文字。テレビは「優しさ」を声高に称揚するようになり、列島中がその大号令に流されて、権威を当然のものとして受け入れてしまったかに見える。だが、そこには暴力が潜んでいないだろうか。陰影のある、他の「繊細な精神」を圧殺する強制力がはたらいているのではないだろうか。哲学にしかできない領域から“絆”からの自由、さらに“絆”への自由の、可能性を問いただす。

この本の目次

第1章 “絆”は重苦しい
第2章 “絆”は有益である
第3章 組織における“絆”
第4章 (なるべく)他人に同情しない
第5章 (自他の)孤独を尊重する
第6章 生命は最高の価値か?
第7章 “絆”からの自由・“絆”への自由
付録(美談が覆う真実もある(東京新聞)
『がんばろう日本』という暴力(新潮45)
「いい人」だからこそ陥る「みんな一緒主義」(児童心理))

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