時間の言語学 ─メタファーから読みとく

瀬戸 賢一

私たちが「時間」をどのように認識するかを、〈時は金なり〉〈時は流れる〉等のメタファー(隠喩)を分析して明らかにする。かつてない、ことばからみた時間論。

時間の言語学 ─メタファーから読みとく
  • シリーズ:ちくま新書
  • 836円(税込)
  • Cコード:0280
  • 整理番号:1246
  • 刊行日: 2017/03/06
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:208
  • ISBN:978-4-480-06950-4
  • JANコード:9784480069504
瀬戸 賢一
瀬戸 賢一

セト ケンイチ

1951年生まれ。佛教大学文学部教授。大阪市立大学名誉教授。専門は、英語学・レトリック。レトリックを中心に言語表現の実際を分析し、豊かな表現技法に向けてさまざまな提言をしている。また、認知言語学の立場から、人間の言語・行動・認識を体系的に解明することを目指す。主な著書に『メタファー思考』(講談社現代新書)、『日本語のレトリック』(岩波ジュニア新書)、『認識のレトリック』(海鳴社)、『時間の言語学』(ちくま新書)など。コーパス分析を用いた『英語多義ネットワーク辞典』(小学館)が評判で、多義語の解説に力を入れた『プログレッシブ英和中辞典』(第五版、小学館)の編集主幹もつとめている。

この本の内容

時間は抽象なので、私たちが時間を認識するとき、なにかに「見立て」るしかない。この「見立て」つまりメタファーを分析することで、“時間”を具体的に意識化することができる。近代において最も強固な「見立て」は“時は金なり”のメタファー。コーパスや、具体的なテキスト(「吾輩は猫である」「モモ」等)を探り、私たちが縛られているさまざまな時間のメタファーを明らかにした上で、新しい時間概念(「時間は命」)を模索したい。

この本の目次

第1章 時間をことばで表すと―『広辞苑』vs.『新明解』(『広辞苑』の定義の変遷
『新明解』の挑戦)
第2章 「時間」と「とき」(ときの意味―ゆったりと流れるもの
時間の意味―計量されるもの
「時は金なり」は「時間は金なり」?)
第3章 時間経過の認識論(哲学者たちは時間をどう思索したか?
時間はどう流れるか)
第4章 時間のメタファー(時は金なり
時間に追われる
時間のネットワーク―時間のことばの全体像)
第5章 新たな時間概念を求めて(“時間は命”
時間の円環を取り戻す)

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