原発事故 自治体からの証言
福島第一原発事故発生、避難、そして復興――原発災害の過酷な状況下の自治体の状況を、当時の大熊町と浪江町の副町長の証言により再現する貴重なドキュメント。
福島第一原発事故当時、現地の役場で何が起きていたのか。途方もない危機が迫っているにもかかわらず情報は乏しく、国や県からの指示もなく、事故対応マニュアルは役に立たない。そして水素爆発の重い音が町中を揺らした。事故の瞬間から避難、さらに復興に向けて、原発災害の過酷な状況に直面した自治体の職員が何を考え、何をしてきたか。石田仁(大熊町前副町長)、宮口勝美(浪江町前副町長)へのインタビューをもとにした証言に、研究者による解説を加えた貴重なドキュメント。
第1章 原発事故と自治体(「誘致」から事故が起きるまで
事故から避難まで
避難指示解除から現在まで)
第2章 大熊町で起きたこと、起きていること(伝えたいこと―検証のための記録を残しておきたい
原発避難開始から三春へ
一〇〇キロ離れた会津へ
復興へのステップ
これからの大熊町)
第3章 浪江町で起きたこと、起きていること(原発で変わった町―原子の火・地震・津波・避難
転々とする役場―津島から東和へ
議会、独自に動く
復興推進課長として―住民と国・県との間で
副町長として―馬場町長を支える)
第4章 データから見た被災地自治体職員の一〇年(生活環境―事故前採用職員に強いストレス
職場環境―役場内で議論ができていない
健康被害―カスハラによるストレス
就労意欲―職員を支えるのも住民
事故後採用職員―町民との葛藤)
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