悪魔の証明 ─なかったことを「なかった」と説明できるか

谷岡 一郎

理不尽な「悪魔の証明」の追及は、建設的な議論や問題点の抽出を妨げる。では説明の無限ループを避けるにはどうするか。犯罪学、統計学、宗教学の知見から迫る。

悪魔の証明 ─なかったことを「なかった」と説明できるか
  • シリーズ:ちくま新書
  • 880円(税込)
  • Cコード:0230
  • 整理番号:1574
  • 刊行日: 2021/05/06
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:224
  • ISBN:978-4-480-07400-3
  • JANコード:9784480074003
谷岡 一郎
谷岡 一郎

タニオカ イチロウ

1956年大阪生まれ。1980年に慶鷹義塾大学法学部を卒業後、1983年南カリフォルニア大学行政管理学修士課程を修了、1989年社会学部博士課程を修了(Ph.D.)。大阪商業大学教授を経て、1997年大阪商業大学学長、2005年学校法入谷岡学園理事長。専門は犯罪学、ギャンブル社会学、社会調査論。著書に『「社会調査」のウソ――リサーチ・リテラシーのすすめ』(文春新書)、『ツキの法則――「賭け方」と「勝敗」の科学』(PHP新書)、『データはウソをつく――科学的な社会調査の方法』『SFはこれを読め!』『はじめての刑法入門』(以上、ちくまプリマー新書)、『40歳からの知的生産術』『定年後の知的生産術』(ちくま新書)、など多数。

この本の内容

事実ではないことを「そんなことはなかった」と説明するのは、実際にあったことを立証するよりも困難だ。しかし人は往々にして、そんな「悪魔の証明」を他人に強要する。思い込みが先行した追及は、ともすると自らの挙証責任をないがしろにするので、相手に説明の「無限ループ」を迫ることになる。敵を混乱させたり、イメージ悪化を図るには有効だが、もはや建設的な議論や問題点の抽出は望めない。本書では、犯罪学や統計学、そして宗教学も参照しながら、悪魔の証明の正体に迫ろう。

この本の目次

プロローグ 悪魔の証明
1 犯罪を証明する手続き―「あったことを証明する」ことすら簡単ではない
2 挙証責任―立証の責任は誰にあるか
3 不可能性―社会的不可能と神学論争
4 非合理性―科学的判断と不思議な論理
5 間接補強証拠・要因―証拠とデータの判断、討論の決着
6 「なかったこと」の証明―武器になる反論とは

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